今年もオーダーコートを考える。#1

「第一印象とは、顔とコートのことでした。」「そろそろ、人生でいちばん長く付き合えるコートを手にいれないか。」「いちばん外側に着る服が、いちばん私である。」「生まれて初めて、コートにしなやかに抱きしめられた。」「値段だけは、オーダーメイドを裏切りました。」「おしゃれな人とは、服のサイズが合っている人だ。」いよいよ明日、10月3日より毎年大好評のオーダーコートフェアが麻布テーラー全店で開催されます。

「コートをオーダーする。」シャツやスーツはオーダーしているのに、コートとなると二の足を踏んでしまう方も多いのではないでしょうか?

勿論、昨今はお洒落でフィット感もある既製品のコートやアウターが手頃な価格で買えるのも事実です。我々もドレスセレクトショップとして著名な欧州のアウターブランドとコラボレートまでして展開をしているので、既製品の素晴らしさも良く理解しています。一方で、本業のテーラーとしても既製品には真似できないオーダーコートの素晴らしさも分かります。

麻布テーラーは「お客様の個性や流儀を尊重する」ということを大切にしています。流行のビジネススタイルやタウンスタイルをご提案はしますが、最終はお客様のライフスタイルに合わせた洋服をご提供が出来るようになりたいという想いです。自分のスタイルや自分流儀を作っていく人こそ、我々が応援する頑張るビジネスマンやプロフェッショナルな方々であると考えています。お客様のライフスタイルによって、コートの選び方も変わってくるのは当然です。ですから、既製品コートよりもオーダーコートの方が優れているとも言えません。

麻布テーラーは男性コートの基本であるクラシックなデザインしかオーダー展開をしていません。チェスターフィールドコート、アルスターコート、トレンチコート、Pコートなどがそれです。大きな理由は、それらは本物であるからです。

今シーズンの麻布テーラーのコレクションテーマである「Timeless Classics feat. Modern Winds」、伝統は革新の連続によってのみ継続可能となる。現代においては、すべて時代を超えても色あせないコートですが、実はそれぞれに時代との適合による革新によって、クラシックという不変的スタイルに君臨し続けているのではないでしょうか。そして、これらも当時は革新的なものであったと思いますが、本物であるから伝統に成り得たともいえます。我々は、古いものでも本物でなければクラシックとはなりえない、本物であることを前提としてクラシックを大切にしたいと思っています。

チェスターフィールドコートでいえば、19世紀にチェスターフィールド伯爵がはじめて着用したのがルーツというのが有名ですから、200年も続いている本物のコートになる訳です。しかし、当然のことながら200年前のチェスターフィールドコートと現代のチェスターフィールドコートでは違いも多くあります。時代との適合による革新によって、素材・裏付属・パターン・サイズなどが変化しています。

古き良きクラシックスタイルに敬意を表しながら、現代的なシルエットや素材やコーディネーションを兼ね備えた「進化するクラシックスタイル」こそ、麻布テーラーのオーダーコートのテーマです。

麻布テーラーのオーダーコートは、このようにクラシックな完成されたデザインを現代的なエッセンスを入れることでお客様の感性にフィットしてもらい、それらをベースとしながらお客様の体型にサイズフィットをさせる「ダブルフィット」が特徴ではないでしょうか。

「第一印象とは、顔とコートのことでした。」「そろそろ、人生でいちばん長く付き合えるコートを手にいれないか。」「いちばん外側に着る服が、いちばん私である。」「生まれて初めて、コートにしなやかに抱きしめられた。」「値段だけは、オーダーメイドを裏切りました。」「おしゃれな人とは、服のサイズが合っている人だ。」お客様のライフスタイルにあえばオーダーコートという選択はどうですか?

今回は(笑)なしで、クリエーティブディレクターとしての麻布テーラーのオーダーコートの考えを書きました。次回「今年もオーダーコートを考える。#2」は、いよいよ本題であるモノについてご紹介します。

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