2015 SPRING & SUMMER SEASON THEMA

環境省が提案したクールビズの指針は、ファッションとしての観点が不充分であった為、結果としてサマースーツの上着とネクタイを外しただけのスタイルが多く出現しました。さらに、スーパークルールビズの出現により夏のビジネススタイルの簡略化がいっそう進み、品格とファション性が伴っていない日本独自の夏のビジネススタイルが浸透してしまっています。

そんな背景の中、我々が今シーズンのテーマに掲げた“ZERO INFINTY”には二つの想いが込められています。

一つ目は、ビジネスドレスコードが崩れている日本独自の夏のビジネススタイルを原点に戻り、麻布テーラーがCOOL BIZの“ZERO”という照準を目指したいという想いです。紳士服の起点 (ZERO)とも言えるフォーマルウェアを筆頭に正しい服を今一度見直し、現代的な感性をプラスした麻布流のサマービジネスルックをご提案したいと考えました。

二つ目は、我々が直面している節電やエコロジーという環境を認識し、着用感を“ZERO”のような軽さと涼しさを合わせた機能、そしてファション性を満たした本当の意味でのCOOLなスタイルをご提案したいという想いが込められています。

世界最大規模のメンズファションの見本市「PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ イマジネ ウオモ)」でクロージングウェアのトレンドを見ても、ビビットカラーが落ち着きをみせ、カジュアルなチェック柄に変わりストライプが台頭するなど、リゾートムード一辺倒からエレガントムードに変わってきています。世界的にも夏といえども品格を備えた正しい服を見直そうとする動きがあるのではないでしょうか。

私も久しぶりに春夏シーズンにクラシックなスーツをオーダーしました。ダークネイビーのピンストライプというオーセンティックなセレクトですが、通気性と防皺性に富んだ機能ファブリック「ワールドトラベラー」、仕立ては芯地や肩パットを配し、軽さと涼しさを意識しました。Vゾーンもからみ織りのシャツにシルクリネンのプリント柄とトレンドを抑えながら清涼素材でまとめました。一見するとクラシックなスタイルですが、機能性をキープしながらオーダーによるフィット感で古さを感じません。

2015年春夏シーズンの麻布テーラーは「azabu zero Infinity.Cool , Light & Function」をテーマに、品格がありながらお洒落で快適な麻布流ビジネスサマールックをご提案いたします。

2015年2月27日

麻布テーラークリエイティブディレクター 上月 剛

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