MEN’S EX10月号 #1スミス ウールンズ。

先日、久しぶりに仕事で神田に行きました。神田をブログに上げるのは初めてに近いかも知れませんが、神田界隈には我々の業界でいう「羅紗屋(紳士服地の切売の卸商)さん」が多くあります。羅紗屋さんをもう少し分かりやすく説明をすると、生地を国内外の毛織物メーカーなどから反物単位で購入して在庫を抱えます。そして、バンチブックや生地パターンを作り、全国各地のテーラーへ配布して、その注文に応じてスーツ1着分単位などに切って卸販売する生地屋さんのことをいいます。海外でいうマーチャントです。

多少生地単価が高くても、小規模のテーラーさんは在庫リスクがなく多くの生地を扱えるので、羅紗屋さんの存在は重要です。しかし、時代の流れと共に激減、その昔は神田界隈には大小あわせて数百件とあったと聞きます。しかし、今は大手を中心に10件程度しか残っていないのではないでしょうか。

我々も自社で企画する生地がメインになってはいますが、約3,000種類のバリエーションを誇るためにも、このような羅紗屋さんとの取組は続いています。そして、2015年春夏シーズンに向けての生地の商談をする為に足を運んだ訳です。

いつも、青山界隈を行ったり来たりしている私にとっては、神田は良い意味でとても新鮮です(笑)。ランチにこんな刺激的なお店に行ってきました。終戦の年からずっと営業し続けている「栄屋ミルクホール」です!

心の琴線に触れるとでもいうのでしょうか、幼少の時に食べた懐かしい味です。名物のラーメンとカレーのセットをやっちゃいました。でも、950円という安さ(驚)。

さて、羅紗屋さんといえば、現在発売中の「MEN’S EX10月号」をご覧になりましたか?「生地の価値で選ぶなら麻布テーラーが筆頭候補!」&「スミスのボタニーが今、英国生地好きの必修語句!」と7ページにも渡り、麻布テーラーが別注したコダワリの生地にクローズアップしてご紹介いただいています。

そして、今回は先日お邪魔した神田にある老舗羅紗屋さんのマルキシさんが扱う、ロンドンマーチャントの雄「スミス ウールンズ」がテーマです。

麻布テーラーが別注した生地は、「ボタニーウール」を使用したダイアゴナル。「ボタニーウール」とは、良質なオーストラリアンメリノウールがボタニー港で船積みされることから名付けられ、着込むことで増す味わいと飽きのこないオーセンティックなデザインが世界中に多くのファンを持つ素材。その中から老舗ならではの歴史的なアーカイブを復刻されたビンテージテイストのダイアゴナルに着目しました。ストライプやチェックに比べて派手さはありませんが、比較的太めの畝の出た綾が斜めに射光すると程よい存在感が出る玄人好みの素材です。無地感覚で手持ちのシャツやタイとのコーディネートのしやすさもポイントです。紙面で登場しているネイビーの他にチャコールグレーとブラックの3色を展開しています。

また、紙面には、カントリー素材の名門「W.ビル」にも私がコメントしています。

1846年創業の歴史あるカントリー服地マーチャントで、ヒラリー卿が人類初のエベレスト登頂を達成した時に、同ブランドの服地を着用していたことでも知られています。麻布テーラーは、このカントリー素材の名門をあえてフォーマルスタイルでご提案します。カントリー素材とフォーマルデザインの融合は、リニューアルした名門だからなせる業です。春と秋冬の3シーズン着用可能な汎用性の高いウエイトも魅力です。

私は食べログばかりではありません。このように本業もしっかりとコメントします (笑)。

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