今、絶対推しの生地教えます!♯ME4月号

今、絶対推しの生地教えます!♯ME4月号

今回は、毎シーズン好評をいただいている!?麻布テーラーのディレクターとして今シーズンに皆様におすすめしたい生地を数回にわたってご紹介する「今、絶対推しの生地教えます!」をお送りします。第3回目は、先日発売されたMEN’S EX4月号で私が紹介している「エドウィン・ウッドハウス」です。

EDWIN WOOD HOUSE AIR WOOL

エドウィン・ウッドハウスは、古くから毛織物の産地として栄えているイギリスハダスフィールドで創業した歴史あるメーカーです。私が今まで紹介してきたロロ・ピアーナエルメネジルド・ゼニアなどのイタリア生地ブランドと比べると知っている方は少ないかも知れませんが、毛織物工場(ミル)の中でもトップクラスの品質をほこっています。紡績工場にオリジナルの糸を作らせる、天然の地下水を利用して木製の槽で行うウェットフィニッシィング、厚紙の間に生地をはさんで熱と圧力で表面に自然な光沢をつけるペーパープレスなど、かなり時間と手間をかけた製織と仕上げを行っています。

 

唯一の欠点といえば、イメージが地味なんだよな~(苦笑)。でも、私は大好きなのです。麻布テーラーのディレクターとしてメンズEXさんに取材を受けていたのですが、今回はかなりマニアックな個人的趣味嗜好でセレクトさせていただきました。

 

私が大好きなエドウィン・ウッドハウスの伝説の生地「エア・ウール」が昨年復活を果たしました。夏生地としてはかなり重い290gの強撚糸使いのざっくりとした肉厚の織りは、抜群の防シワ性と仕立映えが特徴で、私を筆頭にマニアなファンを虜にしていました。ちなみに、強撚糸とは糸に通常よりも撚りをかけたものを撚り(ひねり)といい、撚れば撚るほど繊維は強度を増し、吸湿性と速乾性に優れると言われています。また、撚ることで繊維の毛羽立ちが少なくなり、ドライなタッチも魅力です。

 

夏素材で290gというと時代に反する重さですが、長いクールビズを考えると3シーズン着用できる最適な素材ともいえます。また、復活を機に撥水性が新たに施されているのも見逃せません。ここは、麻布テーラー的なビジネスマンのための指向を反映してリコメンドしました(笑)。

 

昨年、エドウィン・ウッドハウスの展示会でこの独自性あるグレーのマルチストライプ生地を見て一目ぼれ、麻布テーラーのプレス展にも出しちゃいました!私がいかにエア・ウール ラブなのか?昨年パワー着用していた、コレもアレもエア・ウールだったのですから(笑)。

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