お客様が得をするネクタイ教えます。

お客様が得をするネクタイ教えます。

先週は、MEN‘S EXの取材と撮影で、阪急メンズのビジネスウェアー担当バイヤーさんと対談をしました。これが、プレスの木村くんが隠し撮りをしていた写真です。こんな感じでやや!?やらせっぽいポーズを取らされていますが、お題に応じて本当に話しています(笑)。

前回のユナイテッドアローズさんや三越伊勢丹さんとの対談もそうですが、このような機会を与えていただけなければ、小売業同士で情報交換する機会もありません。ですから、とても勉強にもなります。スーツの大きなトレンドの掴み方は同じなのですが、MDと呼ばれる商品政策におけるアプローチの仕方が異なります。

 

さて、MDといえば、私が商品部にてMD業務をスタートしてはや14年。服地をメインにしながら、様々なアイテムを担当しました。このようなポジションになり実務が少し少なくなりましたが、ネクタイだけは未だに産地に入り柄出しから含めて企画もしています。

 

今回、ご紹介する麻布テーラーオリジナルの108色を揃えるクラシックネクタイもそうです。「Super solids®」がシルクのサテン、バスケット織り、ドットで各18色。シルクウールのヘリンボーンが18色。「Super stripes®」というネイビーベースの18色ストライプ、そして今シーズンから新に仲間入りしたレップストライプ18色です!

 

織り方は平織りの変形で「畝(うね)織り」と言います。西陣のネクタイ業界では、「レジメン」「陣目」「つづれ」ということもあります。特徴は隣り合う畝にヌキ糸を交互に表に出すことでタテ糸が表に見えないように織り上げる組織になります。この組織は倍越(バイコシ)の組織と言い、通常であれば打ち込みは210ヨコですが、このストライプの場合、色をきれいに見せるようにヌキ渡りを広く取って、同じ太さのヌキ糸を250ヨコと限界に近い打ち込みを入れております。また、生地の厚みを出して手持ち感をより良くするために4越に1回ヌキ糸を裏打ちしていますので、総打ち込みは312.5ヨコのハイクオリティな生地です。織り上がり時の畝のボリューム感を損なわないような特殊な整理加工も施しております。通常やわらかめに整理する糊の半分以下の濃度の糊を裏面から吹き付けることによって、表側に糊がしみこまないように裏面にハリを持たせながら、表の畝の盛り上がりを保ちつつ、不要なゴワツキ感をなくしています。

 

と。。。なんのこっちゃ分からない専門用語で説明してみました。14年ネクタイ企画をしている証拠として知っているウンチクを全力で出してみました(汗)。

 

では、私らしく皆さんに分かりやすい言葉でお伝えします。綺麗なストライプ、綺麗な発色、綺麗な結び目、しいては綺麗なⅤゾーンを作るために、高級なシルク糸を極限まで打ち込んだネクタイです。ということは、通常よりも沢山のシルク糸を使用することになるので、当然一本あたりの原価も高くなります。しかし、価格は据え置きの¥4,500+税。ということは、このネクタイをお買い上げいただくと、お客様はとても得をするということです(笑)。

 

「Super solids®」「Super stripes®」は、京都西陣で手配した厳選したシルク糸を染めた状態で丹後まで運び、希少な低速織機で織り上げることで、通常の2倍の時間をかけて密度を極限まで高めて張りと膨らみのある風合いにしています。結局のところ、今回のレップストライプ以外も原価が高いのに、¥4,500+税。ということは、このクラシックネクタイをお買い上げいただくと、お客様はとても得をするということです(笑)。

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