ジャケットのデザインについて2
みなさま、こんにちは。
前回の腰ポケット形状に引き続きまして、
今回は、日常的にスーツやジャケットをご着用のみなさまでも、普段あまり意識されない箇所についてご紹介します。
そのひとつが、今回ご紹介する「ベント」です。
麻布テーラーでは、お好みに合わせて必ずご指定いただいております。
大別すると、3種類です。
1、ノーベント
もともとジャケットに切れ込みはありませんでした。
ゆえに、タキシードなどのフォーマルウェアはノーベント、という決まりがあります。
(ただし、近年はそのルールも緩やかになっております。)
その印象はかっちりとし、フォーマル感溢れるジャケットとなります。ただし、切れ込みがないことにより動きづらいという傾向にあるため、タイトなジャケットには不向きです。
2、センターベント
中央に一本切れ込みのあるタイプです。別名で馬乗りと言い、乗馬の際に動きやすいよう切れ込みを入れたのが、その始まりと言われています。つまり、印象としてはスポーティないしはアクティブ、といったところでしょうか。
サイズが合っていないと割れやすく、後ろから見た際に美しくありません。ゆえに、サイズには注意が必要です。前から見ると腿に張り付くすっきりシルエットとなります。
また、ブレザーなどで見受けられるフックベント(ベントの始まりがカギ状になるタイプ)もセンターベントのひとつです。
3、サイドベンツ
両サイドに切れ込みのあるタイプです。ベントが2本ですので、ベンツとなります。別名で剣吊りと言われるように、騎士が剣を抜きやすいように作られたと言われています。つまり、印象としては重厚感があり権威的、あるいは上品で優雅、といったところでしょうか。
後ろから見るとお尻が綺麗に隠れますので、美しいシルエットになります。特にタイトなジャケットをご所望の方には向いているのではないでしょうか。
みなさまがお持ちのスーツやジャケットはどのタイプでしょうか。
その由来や印象でお好みも分かれるのではないでしょうか。
後姿を美しく。
オーダーの際は、お好みをお申し付けくださいませ。
みなさまのご来店を心よりお待ち申し上げております。
次回は、袖口のボタンについてご紹介します。
魚住
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