裏地について
みなさま、こんにちは。
今回は、裏地についてご紹介します。
スーツやジャケットの生地、といえば、主役は表地です。その表地を縁の下で支えるのが、裏地です。その役割や種類をご紹介します。
1、裏地の役割
表地と違って表面には出てこない裏地ですが、さまざまな箇所に使用されています。一例を挙げますと、ジャケットの内側や袖の裏、腰ポケットのフラップ内側や内ポケット、ベストの背中などなど、かなりの箇所に使用されています。
その役割は、着用する際に表地では引っかかりやすい箇所の滑りを良くしたり、皮脂や汗から表地を守ったり、表地と色を変えることによってこなれ感を出したり、と機能面からもデザイン面からも、かなり役立つ存在です。
2、素材
・ポリエステル
麻布テーラーの標準仕様は、ポリエステルです(袖裏は除く)。石油を原料とする合成繊維で、耐久性に優れます。麻布テーラーでは、みなさまのお好みに合うよう、各色取り揃えております。ただし、吸湿性に乏しいため汗を吸いづらく、不快に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
・キュプラ
コットンの再生繊維で耐久性に優れ、なによりその吸湿性が一番の特長です。汗を吸いやすく、汗による不快感とは無縁です。また滑りがよく肌触りが滑らかなため、着心地の良さは満点です。シルクにも似たその光沢は美しく、機能面だけでなくデザイン面からもおすすめです。麻布テーラーでは、オプション料金2,500円+税~お選びいただけます。
(袖裏につきましては滑りを重視するため、標準仕様でキュプラを採用しております。)
3、色の選択
裏地は、上述のとおり基本的には目に見えない存在です。つまり、何色をつけてもおかしくありません。お好きな色を選んでいただければ、と思います。
ただ、そのように申し上げますと、なかなか選びづらいものかと思われますので、ご参考までに一例を挙げます。
・表地と同系統
ネイビーの表地にはネイビーやブルー系統、グレーの表地にはグレー系統を合わせると、間違いはありません。
・表地と外してみる
例えば、ネイビーの表地ならば赤や茶などの違った色を合わせると、アクセントがついてこなれ感を出すことができます。基本的には裏地は見えません。同系統ではおもしろくないという方は、是非色を外してみてください。
ご参考までに。色の合わせ方について私がはじめに教わったのは、選んだ表地のスーツにどんなネクタイを合わせるか、を考えてみるとよいということでした。
例えば、えんじ色。ネイビーやグレーの表地との相性は抜群です。ネクタイを選ぶ感覚で、裏地を選んでみるのも一つの手かもしれません。
(ほかにも、夏用のメッシュ素材や柄モノなど、各種裏地を取り揃えております。)
このように、裏地ひとつを取ってみても選択の幅がたくさんあります。
これこそがオーダーいただく醍醐味かと思います。こだわってみてはいかがでしょうか。
みなさまお一人お一人のお好みに合わせたスーツを。
ご来店を心よりお待ち申し上げております。
魚住
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