上月のきづき＃ピッティウオモ108トレンド速報

今回は、イタリアのフィレンツェよりお送りします！ピッティウオモは、毎年フィレンツェで開催されている、世界最大級のメンズファッションの展示会になります。1972年に第1回目が開催されたということなので、私の生まれ年と同じ。何か、勝手に運命を感じてしまいます！？ 今回は108回目で「PITTI BIKES」をテーマに自転車にスポットを当てることで、ファッションの領域を横断する象徴的な旅を表現するというもの。確かに、フォーマルウェアとストリートウェアやアーバンウェアやアウトドアウェアなどと結びつけ、新たな非対称性を追求するスタイルは、近年のトレンドでもあるので、分かるような気がします。ただ、テーマオブジェが大人の事情なのか、年々地味になっているのは気になります(苦笑)。

麻布テーラーは、ビジネスウェアやオーケージョンウエアとしてのドレスウェアだけではなく、ファッションとしてのドレスウェアも同時に追求しているので、この展示会では企画のベースとなるヒントと確信をもらっています。今回は、麻布テーラー目線での来年春夏シーズンのトレンド速報になります。これらの傾向を基に、シーズンテーマやルックス提案を作っていきます。なので、麻布テーラー流のトレンドになります。決して、上月流のトレンドではありません(笑)。 先ずは、来場者のスタイルから傾向を探ります。日本同様に欧州もドレスウェアのカジュアル化が進んでいますが、ピッティウオモの来場者は、昨年と比較してもジャケットやスーツを着用した人が多く見られます。もちろん、ファッション業界人のスタイルなので、これが即トレンドとは言い切れません。しかし、トレンド先取りをしていくプロ達が、ファションとしてドレスウェアを着こなししている傾向は、麻布テーラーとしても大変嬉しく、希望が持てます！タイドアップもここでは多く見られますが、ノータイで着こなすスーツが気になります。ニットウェアではスキッパーポロ、シャツではオープンカラーやイタリアンカラーをスキッパー的に合わせるスタイルに注目しています。来場者はオフホワイトが多いですが、コスプレっぽくなるので、リアル視点ではベージュからブラウンがやはりメインです。

もちろん、私の2日間もスーツとブレザーです。猛暑を我慢してのタイドアップです。お洒落は我慢(笑)

そして、麻布テーラー視点でのドレスウェアブランドでのトレンドキーワードは２つ。「ラグジュアリークラシック」「モダンコンフォート」です。「ラグジュアリークラシック」は、軽やかで上質な天然素材を使用していながら、とにかく軽い仕立て。ラグジュアリーカラーとして、ベージュやドープ、サーモンピンクなどが挙げられます。

一方の「モダンコンフォート」は、天然素材をメインとしながらのストレッチ性とセットアップでも上着と組下パンツの単品使いを想定したもの。そしてとにかく軽い。ディテールでは、着回し力を想定した夏らしい貝釦とトラディショナルなメタル釦をスーツに多用するがキーになります。

ドレスウェアとしてのきっちり感という「クラシック」を守りながら、スタイリングは「モダン」そこでのキーワードは、「上品なナチュラルカラーとパスカラー」「軽やかな上質な天然素材をベースにしながらストレッチ性も加味」。そして仕立ては「とにかく軽い」。さらに「着まわせる」。次回は、もう少しアイテムに落とし込んでお知らせしたいと思います。

ジェットラグに耐えながら、連日、朝からのアポイントとイタリアならではの深夜までの夕食。短いブログでもかなりつらい作業ですが、帰国後だと忘れてしまうこともあるので、ここは自分のためにも頑張ります(苦笑)。