上月の気づき#年内最後のブログ

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2025年もいよいよ幕を閉じようとしています。今年も麻布テーラーをご愛顧いただき、心より御礼申し上げます。年内最後の「上月の気づき」は、好評開催中のオーダーシャツフェアのご案内です。

近年、街を歩けばカットソーやニットを取り入れたコーディネートが広がり、リラックス感のあるスタイルが定着してきました。確かに便利で快適ですし、私自身も休日だけではなく、オフィスでもニットを着ることが多くなりました。しかし、やはりシャツこそが装いの基本であることを忘れてはいけません。ジャケットを脱いでも、ネクタイを外しても、最後に残るのはシャツ。つまり「人となり」を最も表すのはシャツかと、「人となり」に自信がない私が思っています(笑) 今回のフェアでは、2026年春夏ピッティウオモで注目されるドレスウェアの傾向を先取りし、来季の旬スタイルを一歩早く取り入れていただける内容となっています。リネン素材ではスモーキーパステルカラーが重要で、特にサーモンピンクは来季の象徴的な色合いとなります。そしてニュアンスカラーです。ニュアンスカラーとは、はっきりとした原色ではなく、落ち着きのある柔らかな色合いのこと。派手すぎず地味すぎないその中間のトーンは、ビジネスにもカジュアルにも対応できる万能さを持ち、知的で誠実な雰囲気を演出しながらも、遊び心を加える余地を残しています。

ここで私の気づきを一つ。お客様の中には「シャツは白が一番!」とおっしゃる方も多いのですが、実は白シャツほど難しいものはありません。ほんの少し生地の質感や襟の形が合わないだけで、一気に「制服感」が漂ってしまう。逆に上品に色を取り入れると、途端に「自分らしさ(個性)」が際立ちます。つまり、シャツは「無難」ではなくチョットした「挑戦」するアイテムなのです。ちなみに、私のクローゼットも白シャツは全体のたった14%、かなり挑戦的です(笑)

今回のフェアは、そのチョットした挑戦を後押しする絶好の機会になるかと思います。それ以外にも同時開催でチョットしたフェアも面白いので、ぜひ店頭をご覧ください!!

そして来年は、年明け13日からピッティウオモに参加し、さらに今回は8年ぶりに ミラノウニカにも足を運ぶ予定です。今回はミラノ・コルティナ・オリンピックの影響でミラノウニカの開催がピッティの翌週に早まったため、タイミング的にも珍しいスケジュールとなりました。私は生地バイヤーに2日間だけ同行する形で参加し、最新の素材や色の流れを直接感じ取ってくるつもりです。ピッティで得たスタイルのインスピレーションと、ミラノウニカで得る生地の未来を組み合わせることで、皆さまにより鮮度の高いご提案ができると考えています。 これは、イタリア屈指の最高級生地メーカーである TALLIA DI DELFINO のチームと、ピッティウオモで再会した際の写真です。スタイルは生地だけでは完成せず、生地もまたスタイルがあってこそ輝きます。その相互関係の重要性は、最高級生地メーカーの多くが、既製品の見本市であるピッティウオモに視察に訪れていることからもよく分かります。

今年一年、本当にありがとうございました。来年もテーラードスタイルを通じて皆さまの毎日をより豊かに彩るお手伝いができれば幸いです。どうぞ良いお年をお迎えください。

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生地仕入課に来て、はじめてのブログ

風のように軽やかに、展示会と喉潰れた私。

業界初。LEON × ゴルフダイジェスト × 麻布テーラー。三者で作り上げた大人のゴルフブレザー。

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