上月のきづき#ピッティウオモ109トレンド速報
ロストバゲージというものを、まさか自分が経験する日が来るとは思っていませんでした。しかもよりによって、半年に一度の大舞台であるピッティの初日です。フィレンツェの空港に降り立ち、ターンテーブルを何周も眺めながら「いや、さすがにそろそろ出てくるだろう」と自分に言い聞かせていましたが、最後の一つが流れ終わった瞬間、、、これは、来ない。人生初のロストバゲージ確定です(苦笑)。

そこに追い打ちをかけるように、現地で合流を予定していた生産部チームから連絡が入り、乗り継ぎ便が欠航し、到着が翌日に遅れるという。ピッティ前にロストバゲージ、そして仲間の欠航。そんなドタバタのスタートでしたが、ようやく全員がフィレンツェに集合しました!今年もここからが本番です(笑)。


会場を歩き始めてまず感じたのは、ここ数年続いてきた“ブラウンの時代”に、ようやく変化の兆しが見えたことです。もちろんブラウンは依然として強いのは変わりありません。温かみのあるトーンは、スーツだけではなく、コートにもジャケットにもパンツにも、そしてフォーマルにまで浸透しています。クラシックの世界において、ブラウンはもはや揺るぎない存在になりました。
しかし今年は、そのブラウンの海の中に、はっきりと“モノトーン”が浮かび上がっていました。ブラウンの中のブラックは、逆に新鮮に映ります。ブラウンの柔らかさに慣れた目には、モノトーンのキレが全体のスタイルを引き締め、クラシックの枠を少しだけモードへ押し広げるような存在感を感じました。





上月のきづきは、このようなトラッドの再解釈。英国調といったクラシックの骨格はそのままに、どこかにモードのエッセンスが潜んでいます。シルエットのゆとり、素材の質感の選び方、トーンオントーンでのコーディネート。どれも“やりすぎないモード”であり、トラッドの世界観を壊すことなく、むしろ現代的にアップデートしています。クラシック好きの私でも、この絶妙なバランスがすごく気になりました!
ロストバゲージに始まり、欠航で遅れる仲間を待ち、ようやく全員が揃ったと思えば、ピッティで新しい潮流に翻弄!毎年のピッティはトレンドの宝庫ですが、旅のハプニングだけは安定して裏切りません(笑)。




