タリア・ディ・デルフィノ社 工場見学記
イタリア北部、アルプスの麓に位置するビエラ地区。
清らかな水と長い歴史に支えられた、世界屈指の服地産地として知られています。
ゼニア、ロロ・ピアーナ、レダなど世界的ミルが集まるこの地で、
長い歴史を刻んできたのが 、1903年創業のタリア・ディ・デルフィノ社です。
今回、その工場を訪問する機会に恵まれました。
実は織物工場に行くのは初めて。わくわくが止まりません。

約100年前に建てられた歴史ある建屋。
この場所では、生地の企画開発と織り工程が行われています。
工場内には45台の織機が並び、
年間生産量は約100万メートル。
そのうち約10%が日本向けとのこと。
日本のマーケットがいかに重要かを感じる数字です。
100年の歴史を持つ建屋とは思えないほど
管理が行き届いており、非常に見やすい環境でした。

屋根には太陽光発電設備も設置されており、
発電量が確認できるモニターもありました。
伝統あるミルでありながら、
環境への配慮もしっかりと取り入れられています。
さて中に潜入です。
工場の方が特に重要だと話していたのが
縦糸整形(ワーピング)。

画像は、縦糸整形に使う、整経機です。
円筒状のドラムが回転し、多数の糸を整列させて巻き取ります。
機械で巻いた後は、しっかり人間の目で
1本1本確認していきます。
縦糸を正確に整え、均一に張るこの工程は
生地の品質を大きく左右する非常に難しい作業で、
技術が詰まった重要なポイントだそうです。
そして工場内に響く
「ガチャン、ガチャン」という織機の音。


織機がリズムよく動きながら、
一本一本の糸が生地へと変わっていく様子は
生地好きにとってはたまらない時間でした。
タリア・ディ・デルフィノの生地は、
上品な光沢を持つクラシックなものから、
素材感を活かしたテクスチャー豊かな洒落た生地まで
幅広く揃います。
特に梳毛織物においては、SUPER120’S~200’Sのみを扱う
というこだわりで、
どれを取ってもタッチは素晴らしく、
仕立て上がりの満足度は非常に高いと感じます。
私自身もこれまで何着も仕立てていますが、
どれもいまだに一軍で活躍しているスーツばかりです。

まだ世に出ていない新しい企画の生地も拝見しましたが、
どれも非常に魅力的で、今でも脳裏に焼き付いています。
「良い素材が、より良いものを作る」
素材への徹底したこだわりと、
長い歴史の中で磨かれてきた技術。
イタリア国内でも長く愛されている理由が
今回の工場見学でよく理解できました。
皆様に喜んでいただける企画についても
仕込めたのではないかと思っております。わくわくしてお待ちください。笑
人生で初めての海外工場見学が
このタリア・ディ・デルフィノ社だったことを
とても嬉しく思います。
温かく迎えてくださった
ウンベルト社長に感謝を。

良い服地に乾杯。
Salute!(サルーテ)
ぜひ店頭でも、その魅力を手に取ってご覧ください。
Ciao

