上月のきづき#最近気になる色

イタリアから帰ってきた私は、まず大量の写真と格闘することから始まります。データ整理って地味で疲れそう…なんて思われますが、洋服変態にとってはなかなか面白い作業です(笑)。フィレンツェやミラノの街角やレストラン、ピッティウオモのブース、そして何気ないショップのディスプレイ。その一枚一枚に、次の季節の気配が潜んでいるので、共通項という傾向をまとめながら、シーズン毎の企画を作るのが昔からの私のやり方。
テーラードウェアという完成形に近い服づくりは、流行の影響が見えづらい。それででも写真を並べ、去年のそれと比べると、小さな変化がじわりと現れます。
今回の“きづき”は、なんと言っても サーモンピンク の存在感。日本ではまだ抵抗のある色ですが、ピッティウオモでもミラノのウィンドでも堂々たる主役でした。淡いベージュ、ライトグレー、ドープなどの注目のベーシックカラーと組み合わされ、決して奇をてらわず、むしろ上品さを増していました。
「特に、リネンにのせたくすんだサーモンピンクは、ため息が出るほどラグジュアリーでした!」

「セットアップは難しいですが、ジャケットやインナーのカットソーやシャツ、ネックウェアからサーモンピンクを取り入れるのもおすすめです!」





「現地のウィンドディスプレーもシャツをメインにサーモンピンクを多用しています。ベーシックカラーである手持ちのベージュ系のアイテムも旬を感じるコーデに生まれ変わります!」


「アメトラの総本山のミラノのラルフローレンでもピンクのアイテムが多く展開していました。でも、林家ペーパー子さん風の1カラーコーデは、確かに高度な技術が必要です(笑)。」


「フィレンツェの食にさえ“ピンク”は存在していた!?名物“ビステッカ アッラ フィオレンティーナ”、その絶妙な火入れと肉の色味は、まさしくサーモンピンクの芸術です。」

さて私も、この波に乗ろうとシャツクローゼットを開いてみたが…不覚にもピンクの在庫ゼロに等しい。これはもう、服変態としてあるまじき失態です。すぐさま店舗に連絡を入れたところ、タイミング良く「オーダーシャツフェア」にピンクのバリエーションも多いとのこと。




7月30日までのこのフェア。私と同じように、密かにピンクへの憧れを持つすべての方へ。ほんの少しの勇気と冒険心で、次なるトレンドを彩ってみませんか??
