#午年だから、ベルトをちゃんと語る
今年は午年(うまどし)。だからといって、馬柄のチーフを胸に挿すわけでも、ウエスタンブーツを履くわけでもありません。でも「馬」という文字が頭に浮かぶだけで、革に対する感度が少し上がる。そんな年です(笑)。その革ですが、靴でもなく、鞄でもなく、今年なぜか気になっているのがベルト。しかも、ちゃんと理由があります。 少し前までのピッティウオモといえば、クラシック回帰の流れもあり、ベルトレスのスラックスが当たり前のように並んでいました。サイドアジャスター、深い股上、「ベルトをしない完成形」が、美意識として成立していました。
ところが、今季。明らかに空気が変わってきています。ベルトループ、戻ってきています! “仕方なく付いている”のではなく、「ベルトを見せる前提」のスタイリングが増えています。ベルトって、本来は脇役です。でも、春夏になると話が変わります。ジャケットを脱ぐ機会も増えると、腰元に一本が入ると、スタイリングが途端に締まります。「ベルトをしない美学」から、「ベルトで遊ぶ余白」へ。そんな空気を感じました。
今回ご紹介する2型のベルト、まず大前提としてお伝えしたいのが、どちらも“ドレス対応”であること。カジュアルに見せるためのベルトではありません。スーツに合わせて、腰元をきれいに見せるためのベルト。だからこそ、設計・素材・作りに、かなり気を遣っています。 最大の特徴は、帯をあらかじめ緩やかにカーブさせたカーブ仕様。人の腰は、真っすぐではありません。でも、一般的なベルトは真っすぐ。その結果、「締めたときにねじれる」「腰骨に当たる」「バックル位置がずれる」こういった違和感が生まれます。今回のベルトは、最初から腰の形に寄り添う設計。締めた瞬間に「きれいに収まる」一日使って「楽だったと気づく」そんなベルトです。

コードバン・カーブベルトのこだわり
まずは、コードバン。馬の臀部の、ほんの一部からしか採れない希少革。繊維密度が非常に高く、革というより“層”に近い質感です。今回のコードバンモデルは、国内屈指のタンナー・新喜皮革とのコラボレーションにより実現しました。新喜皮革が手がけるコードバンは、世界的にも評価が高く、そもそも原皮の確保自体が難しい素材。その中でも、ベルトに適した品質の馬臀部革を選定し、生産は限定本数のみ。量産を前提としない、かなり贅沢なつくり方をしています。さらに、専業タンナーならではの特殊な加脂と仕上げ工程により、「透明感のある艶」「奥行きのある黒」「使うほどに増す光沢」を実現。
裏材には牛革、芯材には牛床革を使用し、ドレスベルトとしての安定感と耐久性を確保しています。硬さのあるコードバンですが、カーブ仕様にすることで腰当たりを軽減。「育てる革」を、無理なく楽しめる設計です。
ホーウィン・クロムエクセルのこだわり
もう一型は、アメリカ・シカゴの老舗HORWEEN Leather Company(ホーウィン社)のクロムエクセル。1905年創業。100年以上、革づくりだけを続けてきたタンナーです。クロムエクセルは、クロム鞣しとベジタブルタンニングを組み合わせ、オイルをたっぷり含ませたホーウィン独自のレザー。「柔らかい」「しなやか」「それでいて、へこたれない」締めた瞬間から身体に馴染み、使い込むほどに艶と表情が増していきます。スーツにも、少し力の抜けた装いにも合わせやすく、「使って楽しい」ベルトです。
共にサイズは、M85(ウエスト80〜90cm)L90(ウエスト85〜95cm)いずれも2.5cmピッチ・5穴仕様。金具は真鍮。派手さはありませんが、使い込むほどに味が出る素材です。さらに、お買い上げから1年以内であれば、通常使用による「金具破損」「縫製のほつれ」「皮革部分の剥離」については無償対応。「長く使う前提」のベルトです。 午年に、腰元を整える。午年だから、馬の革を選ぶ。悪くないのではないかと思います(笑)。





