ペイズリーに想いを馳せて。
いつも、麻布テーラー新宿south店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。本日、ブログを担当させていただきます及川と申します。何卒よろしくお願いいたします。
本日はネクタイなどの小物によく見られる“ペイズリー柄”について深掘りしていこうと思います。

■What’s ペイズリー
ペイズリーとは”曲線”と”草花”をモチーフとした柄が連続であしらわれているような集合体のデザインのことを指します。
模様の優美な曲線、草花を元にしたモチーフが繰り返されるリズムは、人間の心理に安心感を与える効果があると考えられています。
模様の向き、配置のパターンに変化を付けることができ、空間の構成の自由度が高いデザインといえます。
ペイズリーの呼び名以外にも、日本では勾玉の形に似ていることから”勾玉模様”と呼ばれることもあります。
衣類はもちろんのこと、壁紙やカーテン、アクセサリーなどにもよく採用され、親しみのある柄ではないでしょうか。

■ペイズリーの歴史
ペイズリー柄の起源を辿ると様々な地域、文化圏で使われていたことが伺えます。
最も古い物だと、紀元前500年頃のアルタイ地域(中央アジア、現ロシア連邦内の自治共和国アルタイル共和国)の古墳から出土しており、これがペイズリーの世界最古級のデザインではないかと言われております。
ペイズリー柄に使われるゾウリムシやミドリムシなどの原生動物、植物の種子・胞子・果実、花弁、ボダイジュなどの葉、初期段階の胎児などのモチーフからしばしば、生命力や豊穣、霊魂と結びつけられることもあり宗教的な意味も含めて各地に似たような柄が存在したのだと考えられてます。
今日、私たちが使っているペイズリー柄はサーサーン朝ペルシャ(224年~651年)に見られるペルシャ語で“Boteh”(ボテ)と呼ばれる糸杉や生命の樹、炎などを図案化したものが1番近いとされています。
■ペイズリーの発展
17世紀に入り、ペルシャで誕生した”Boteh”がインドのカシミール地方に渡ります。
ペルシャ風の花鳥文を交互に配置した模様がインドに影響を与え、やがて花の形が抽象的な模様に変化していきます。
植物の種子などに似た勾玉のような形に、生命力や繁殖力といった意味が込められていると考えられ繁栄の象徴として、織物の柄として広く発展していきました。
カシミール地方と聞いてピンと来る方も多いのではないでしょうか。
そう、以前のブログ「【Recommend item】カシミヤマフラーという贅沢」に登場したカシミヤの発祥地です。
ムガール皇帝アクバルの支配(1556-1605)の間、カシミール王国ではカシミヤショールの製産が劇的に増加していきます。
主に儀式に参加する男性のショールの柄として織られたペイズリーも例外ではありません。
19世紀初頭、インドを植民地としていたイギリスの東インド会社の職員が、そのショールを故郷に持ち帰ったことがきっかけで、ペイズリー柄はヨーロッパ各地に広まります。
カシミール地方で織られたショールの質は相当に良く、生産が追いつかないほどの人気を博します。
そこで、スコットランドのある地域でペイズリー柄のカシミヤショールの模造品製造が始まります。
そのある地域こそが、スコットランドのグラスゴーにあるペイズリー市。
ここで初めて、ペルシャで誕生した柄が私たちの親しみのあるペイズリーと呼ばれるようになる訳です。

■ペイズリータイのオススメコーディネート
今季麻布テーラーでは、「アングロアメリカン」というキーワードを掲げております。
アングロアメリカンとは、イギリスにルーツのあるアメリカ人を指し、そのスタイルはイギリスらしいクラシックなものに装飾的な色使いのタイなどの個性的なエッセンスをプラスしたものでした。
ペイズリー柄のタイは、そのようなスタイルに欠かせない存在といえるでしょう。

英国らしいグレンプレイドのスーツ、ロンドンストライプのシャツを青色で纏め、茶のペイズリータイでアクセントに
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タイ¥13,200

ピンストライプの硬派なスーツにダークトーンのペイズリータイでコンサバティブに
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タイ¥13,200
ペイズリーに想いを馳せて、アングロアメリカンの如く纏ってみてはいかがでしょうか。
azabu tailor / 麻布テーラー 新宿South店
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