お客様からよくいただく質問を少し深堀り
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麻布テーラー心斎橋店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
お客様からよくこんな質問をいただきます。「今のシルエットの流行りってどんな感じですか?」「毎日スーツって疲れないですか?」
この2つの質問、実は繋がります。
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妖怪が怖いのではなく、人が怖いと感じた未知の現象に妖怪を見出したように。
日常の中で当たり前と思っていた因果が実は反対だったなんてことはざらにあるわけです。
この因果の思い込みの反転はもれなくスーツにも当てはまる事象だと感じることがあります。
スーツが人を疲れさせる服なのではなく、人がスーツを疲れる服にしたのです。
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では、“人がスーツを疲れる服にした”とはどういうことなのでしょうか。
本来スーツというものは軍服由来の側面が大きいので人が動きやすいように作られた機能的な洋服です。
機能的なデザインや縫製技術はいたるところに散りばめられているのですが、その中の一つが適切なゆとり量となります。
この適切なゆとり量というものがある時を境に明確に少なくなっていくのです。
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ある時というのは2003年。
エディ・スリマンによるディオール・オム2004SSコレクションで発表されたスキニーデニムが発端となります。
20世紀でもスキニーデニムや細身のスーツが流行した時代はあるのですが、21世紀に入りストレッチ素材の普及や、2006年にファストファッションブランドからお手頃な価格でスキニーデニムが発売され市民権を得ることに。
そしてこの細身のシルエットの流行はスーツにも取り入れられていきました。
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スーツのシルエットを象徴する指標の一つとして裾幅があげられます。
100年以上あるスーツの歴史の中で太くなったり細くなったりを繰り返していくのですが、俯瞰で見ると標準的な裾幅は約19~21cmとなります。
これくらいの裾幅があれば着用される方の体型にもよりますが、細すぎてスラックスから足のシルエットが透けることは基本ありませんし、反対にワイドパンツに見えることもありません。
ですが、巷で細身のシルエットが流行してからは約17~19cmの裾幅がよく見られるようになっていきます。


そして細身になればなるほど布が肌に触れる面積が増えていきます。
布が肌に触れる面積が増えると以下のことが起こります。
①締め付けが強くなり長時間履くと血行が悪化。疲労が溜まりやすくなります。
②布と肌の間にあるはずの空気がなくなってしまう。
この空気がなくなることによって外気と肌が近くなり、熱の調節が上手くできなくなります。
夏は風が通らず汗による気化熱がなくなりより暑く、冬は温まるはずの空気の層がなくなりより寒く感じられてしまいます。
こういった現象によってスーツが疲れるといった印象を加速させた要因の一部が細身のシルエットの流行と考えられるのです。
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2026年現在は?
結論から言えば細身の流行は終わりを迎え、細すぎず太すぎない標準的なシルエットが多くなっております。
流行が変化する時にはどこかできっかけが起きなければなりません。
このきっかけとして2つの事象が考えられます。
①2010年代後半、オフホワイト、ヴェトモン等を筆頭に「ラグジュアリーストリート」と銘打ちコレクションで発表。これまでラグジュアリーブランドが本格的に扱ってこなかったストリートファッションを大々的に打ち出しヒット。ルイヴィトンやバレンシアガ、ディオール等も後に続く形となりストリートファッションが大流行。その中のディテールの一つにビッグシルエットがあげられ、人々の服装は徐々にゆったりとしていきます。
②コロナの影響。コロナ禍により外出自粛や在宅勤務が増えリラックスした洋服が求められるように。これまでファッション感度の比較的高い人だけが着ていた締め付け感の少ないビッグシルエットが一般化していきます。
これら2つの事象が時間の経過とともにスーツにも取り入れられていくのです。
スーツを含むクラシックファッションは流行に左右されにくいファッションジャンルですので極端かつ急速にビッグシルエットになるわけではありませんが、緩やかに影響を受け、細すぎず太すぎないちょうど標準的なシルエットに落ち着いているという現状でございます。
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これからはどうなるのでしょうか。
このままワイドシルエットまで突き進むのか。はたまた世界のどこかの誰かが細身の大流行を作り出すのか。
骨格診断やパーソナルカラー診断の影響によって着たい流行服は淘汰され、理論的に似合う服だけがクローゼットに並んでいるかもしれませんし、
多様性を重んじる潮流の行く末には、個としての文化が一人一人自立し、流行という概念自体がそもそも無くなっているのかもしれません。
もしあなたの周りに未来予知のできる怖い方がいらっしゃるのであれば、妖怪の可能性も疑ってみてはいかがでしょうか。
麻布テーラー心斎橋店 村井
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