ブレザーに合うオーダーシャツ

福岡天神店の古賀です。

今回は最近人気のブレザーにマッチしそうなシャツを店頭にあるサンプル品や私的に作ったシャツの中から厳選してご案内させて頂きます。

先ずはボタンダウンシャツ①です。

ネイビーブレザーでもクリアサージ素材にマッチするシャツを作ってみました。色は紺×黄×緑でバブアーのアウターの裏地みたいなタータンチェック生地。1970年頃の”F1チームロータスのC.チャップマン”がピットで着てそうなB.D.シャツがイメージ。当時のF1レースでは統一されたピットウェアを揃えているチームは少なく、マネージャー達はブレザーやスーツ、メカニックはつなぎやジーパン・シャツ等でレースをしてた、そんな時代への懐かしさや憧れで作った自分用のシャツです。

デザインは衿は長めでたわみ感が少ない”ニューイングランドB.D.”。カフはシングル小丸。シャツの前面はペンやメモ帳を入れたりする為のポケットありの表前立て。背面は姿勢変化に対応しやすいセンターボックスプリーツ。本家アメリカンB.D.シャツとは一味違う英国式B.D.シャツを私的にイメージ。クアドリフォリオ風(四葉のクローバー)の刺繍はちょっとしたジョークです。車関連に強い方には「イタリアンじゃね？」と指摘されるかもしれませんね。私としては”Racing Mate”のつもりですが…(笑)。

次もボタンダウン②です。

このシャツはお客様に仕上がり具合を見てもらう為の店頭サンプルとして展示中のB.D.シャツです。”アイビー”や”トラッド”の服が好きな方であればインド製のマドラスチェックシャツはマストアイテムですね。小生が小6の時お小遣いを貯めて買ったVANのマドラスチェック柄に似ている生地をいまだに探していてまだ巡りあってません。

デザインは①のB.D.シャツよりもロール感が強い”トラディショナルB.D.”襟になっています。ネック釦を外せば襟が立ち気味になるシャツの裾を外出しにしてジーンズのトップスに合わせられるのも良いですね。シャツの前面はポケット付きの表前立て、背面は当然のことながらボックスプリーツ、裾はカーブの緩いSボトムにする(裾外だしの為)のがこの手のシャツの慣わしですね。ここは伝統的なスタイルにしてディテールに神を宿らせましょう(笑)

次はタブカラーシャツ①です。

ダンガリー生地を敢えてドレッシィなタブカラーで作るのがオーダーの醍醐味だと思います。タブカラーは米国のワールドワイドブランドさんでよく見かける襟型で、ドットタブよりループタブするのが本物っぽい感じがしますが、クリーニング屋さんに出すとボタンが割れやすいので私は自宅洗濯でアイロンがけで頑張っています(笑)

ダンガリーはデニムより薄手の綾織生地になりますが、薄っぺらすぎると無粋でらしくない気がするので、この生地のように20/1×20/1のどっしりとしたものが雰囲気が出ますね。ちなみに胸刺繍はこれは馬に乗っている人ではなくゴルフプレーヤーですよ(笑)。このシャツは数年前に私物で作ったものなのでこの刺繍は現在入れられませんのでご了解を。

ブレザー合わせたらこんな感じです。

次は

ギンガムシャツもブレザーに相性のいいシャツのひとつです。白地に一色のチェックを組み合わせたものを普通ギンガムチェックと呼びますが、シドグラス(スペイン)のギンガムはアメリカやイギリスでもない、何となくコクを感じるこのチェック柄が気に入りました。色合いは秋色っぽいので次のシーズン用としてついでに勢いで新購入してしまいました。

襟型はラテン感のある”セミワイド”。カフはラウンド半径が大きい”大丸”。前立てはカジュアル感のある表前立て。ウールタイでも合わせてみようと思います。勿論、ブラウンのニットタイにでも合わせてもいい感じです。

次はオックスフォードシャツ。それもピンオックスフォードです。

お客様にシャツの生地を案内している最中に気になってた生地で作ってみました。シャツの生地見本「DISCOVERⅡ」の終盤辺りに一柄だけあるオックスフォード地。生地の糸番手とタテヨコ糸の組成からしてピンオックス寄りの生地ですが、ハリコシ・しっとり感は一般的なオックスフォード生地よりはきめが細かくどっしりしています。色目は服地のソラーロに近い陰影がありサックス色も何となく奥行き感があります。

襟型は「ロングレギュラー」、そこに内包される芯地はソフトに設定にしたのはカラークリップを装着したかったからです。ソフト芯にすればカラークリップを装着しやすくなり、襟がマイルドにたわむ感じがブレザーに合うと思ったからです。

次はピンポイント・オックスフォードシャツ。

最近では福岡店スタッフの間ではリンクルフリー生地が大人気です。これも土地柄があるのでしょうかね。しかし、自宅で洗濯して軽くアイロンプレスを当てれば普通に着れてしまうのはやはり便利です。私は面倒くさがりな性格ゆえ、クリーニング屋さんにお任せしていることが多かったのですが、最近糊なし仕上げだと割り増し料金になることと、糊つきにすると生地の性質を活かせてないことがもったいないなと思い始めています。

最近のリンクルフリーの生地は出初めのころからすれば、防シワ性も高く特性も綿本来の風合いにもなってきているし、自分では糊つけは面倒くさくてしないはずだし、その方がシャツ本来の風合いも楽しめると思って今回のシャツを新しく作ってみました。オックスフォード生地は少し縮み感が強いので少し大きめにして作っておくことが大事です。

次は

前のピンポイントオックスフォードよりも少しごついオックスフォード生地でドットタブカラーを作ってみました。たしかバブル時代にタブカラーやピンホールカラーは流行ったはずなんですが、意外に最近は若い世代の方に人気なんですね。流行りは繰り返されるとよく言ったもんです。でも当時とは違い今時のタブカラーはトラッドテイストに合わせるのがカッコイイとされるみたいです。バブルの頃はルーズフィットのスーツに合わせて着ていてコーディネーションの軸が何となく違います。

よってこのシャツはクリーニング代節約とブレザーに合わせる今時のタブカラーシャツを作るってところがポイントです。

以上、脈略の無いかなり私的なシャツの案内でしたが、興味を持って頂いた方のシャツ作りの一助になれば幸いです。よろしくお願いします。

福岡天神店　古賀

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