azabu tailor

監修/日本マナー・
プロトコール協会
理事長

明石伸子さん

知っておくべき
テーブルマナーの
基本

服装はもちろん、振る舞いにおいてもマナーを備えておくことが紳士には必要。ここでは接待の場面を想定して、押さえておくべき作法の基本を解説します。

服装はもちろん、振る舞いにおいてもマナーを備えておくことが紳士には必要。ここでは接待の場面を想定して、押さえておくべき作法の基本を解説します。

「マナー」と「プロトコール」の違い

異文化への敬意と
他者への礼儀。
どちらも"心"が重要です

「マナー」という言葉を知らない方はいないでしょうが、これとセットで覚えておきたいキーワードに「プロトコール」があります。
本来の意味は〝国際儀礼〞。生活習慣上のルールというよりも、国や都市単位の外交における儀礼を指します。とはいえ、その根底にあるのは異文化を尊重する心。よって、プロトコールの意識を高めることにより、外国人との日常的コミュニケーションも円滑になるはずです。

相手を尊重する心。これはマナーにおいてもその根本をなすものです。ルールや作法は、自分の心を相手に示すための手段。表面的な形だけなぞっても意味がないのです。一方、どれだけ心を込めたつもりでも、その手段が誤っていたら相手へうまく伝わらないどころか、逆効果にもなりかねません。他者への配慮や自身を律する意識。そして、それを適切に表現するための振る舞い。この両輪がそろってこそ、円滑な社交が成立するのです。

プロトコールの例として挙げられるのが、国際会議での国旗の扱い。卓上に掲げる場合、日本では相手国の国旗を上位(左側)にするのが決まりです。

相手を尊重する心。これはマナーにおいてもその根本をなすものです。ルールや作法は、自分の心を相手に示すための手段。表面的な形だけなぞっても意味がないのです。一方、どれだけ心を込めたつもりでも、その手段が誤っていたら相手へうまく伝わらないどころか、逆効果にもなりかねません。他者への配慮や自身を律する意識。そして、それを適切に表現するための振る舞い。この両輪がそろってこそ、円滑な社交が成立するのです。

POINT 01

席次を理解する

テーブルマナーの大基本となるのが席次。和・洋・中でそれぞれ上座(上席)・下座(末席)のルールが異なるため、
場面に応じて適切に配席できるよう、しっかり覚えておきましょう。

事前に行っておくべきこと

会食を滞りなく進めるためには、事前の準備が大切です。まず店選びですが、初めての店を選ぶと勝手がわからず、思わぬトラブルの危険も。重要度の高い会食ほど、過去に訪れたことのある店を選ぶのが無難でしょう。次に、食事のオーダーについて。ある程度人数のいる会食の場合、アラカルトよりもコースを予約しておくほうがスムーズ。もちろん相
手のアレルギーや嫌いなものなどは事前に確認し、店に伝えておきます。コースがない店の場合は、どんなものを注文するか事前に目星をつけておくとよいでしょう。会食で重要なのは、ゲストに選択を委ねずホストが率先して決めること。気遣いのつもりで「何になさいますか」と尋ねられても、招かれた側としてはどう選ぶべきか困ってしまいます。

和食の場合 和食の場合の席次イラスト

床の間の前が上座、入り口の前が下座となるのが基本。左右の序列に迷うときは、昔は「左上位」という基準であったため、和室ではそれに従いましょう。最上位の人から見て左隣に次の序列の人が、右隣に3番目の人が座る形になります。左図のように横並びに座る場合は、下座側は上座の序列に対応させましょう。

洋食の場合 洋食の場合の席次イラスト

洋食では会食の主催者であるホスト(女性はホステス)が中央に座り、男女を交互に配席します。西洋は「右上位」のためフランス式では、ホスト(ホステス)の右隣に異性の序列1位が、左隣に序列2位が座る形に(※女性が端にならないよう席を入れ替える場合も)。英米式は少々複雑で、図のように序列が入り交じる席次になります。

中華の場合 中華の場合の席次イラスト

中華料理店でしばしば見られる円卓では、最も上位の人を中心に左、右、左…と座っていきます。回転卓は時計回りが原則なので、大皿料理を取る場合は、左図のように2→4→6…と回していきます。ただし、一度料理を取った後に追加で取る場合はこの限りではなく、逆回転させてもOK。比較的柔軟に対応してよいでしょう。

POINT 02

食具の使い方を理解する

箸や皿、フォークやナイフなどの使い方は日頃の習慣がつい出てしまうもの。
正しい扱い方を常に意識して、いざというときに不作法を演じないようにしましょう。

和食の場合

箸の上げ下ろしは
「三手(両手を使う)」で

※左利きの場合は箸を反対に置いても構いません。

〈箸を取るとき〉

まず、右手で箸置きから箸を取り上げる。

左手で箸を下から支え、右手を滑らせる。

右手を返して下から持ち左手を外す。

〈箸を置くとき〉

左手を下から添えて箸を支える。

右手を滑らせて箸の中ほどを持つ。

左手を離して箸置きに置く。

〈椀物と一緒に箸を持つとき〉

椀を両手で取り上げ左手のひらに載せる。

右手で箸を取り上げ左手の指先で挟む。

右手を返して箸を持ち挟んだ左手を離す。

箸使いのタブー

左から、皿の上で箸をうろうろさせる「迷い箸」、箸で器の中を掘り起こす「探り箸」、皿の上に箸を渡して載せる「渡し箸」、箸から箸へ食べ物を渡す「移し箸」。

左から、料理に箸を突き刺す「刺し箸」、器を箸で引き寄せる「寄せ箸」、煮物の汁を垂らしながら口に運ぶ「涙箸」、同じ料理ばかりを続けて食べる「重ね箸」。

左から、箸についた食べ物を口で取る「もぎ箸」、箸先をなめる「ねぶり箸」、箸を握り締める「握り箸」、大皿から料理を取るとき、箸の上下を逆さにする「返し箸」。

洋食の場合

ナイフ・フォークは外側から使う

コース料理では並べられたナイフやフォークは外側から使います。なお、左利きでも自分でナイフとフォークを入れ替えるのはマナー違反。

正しい食具の置き方を知る

食事中はナイフ・フォークをハの字になるように置き、食べ終わったら右下にそろえて置きます。皿の上に料理が残っていても、食事を終えたサインになります。

正しいナプキンの置き方は?

食事中に席を外すときは椅子の上にナプキンを置きますが、座面に置くのが衛生的に気になる場合は背もたれにかけるとよし。食事を終えたら、ざっくりと畳んでテーブルの左側に置きます。

ワイングラスのNGに注意

ワイングラスのNG例

ワインを注いでもらうとき、日本の感覚でグラスに手を添えるのはマナー違反です。また高級なワイングラスは薄く割れやすいため、乾杯のときにグラス同士を当てるのもNG。目線を合わせてグラスを持ち上げるのがスマートです。

テーブルマナー

気になるQ&A

Q

相手を迎えるのは店の中? 外?

A

相手より早く着くのは基本ですが、店の外で待つ必要はありません。ロビーのような場所があるレストランなら、そこで待つのがよいでしょう。

Q

入室するときの順序は?

A

「お先にどうぞ」は×。ホスト側の代表が案内係の後ろにつき、ゲストをエスコートします。ホスト側の上位者以外はゲストの後に続きます。

入室の順序イラスト
Q

お会計はどのタイミングで行う?

A

ゲストの目につかないよう、お開きのタイミングで手洗いなどのついでに済ませるのがスマートです。相手に気を使わせないようにしましょう。

Q

手みやげを渡すタイミングは?

A

食事を終えた帰り際に渡します。用意した品物は会食前にレストランに預けておき、個室や出入り口でホストの上位者が渡します。

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