2026年8月21日(金)、ブランドの名を冠した「azabu tailor 麻布本店」がオープンしました。
麻布テーラーにとって、「本店」と名付ける店舗が誕生するのは今回が初めてです。この場所は単なる新店舗ではありません。創業以来大切にしてきたものづくりへの姿勢、お客様一人ひとりと向き合いながら仕立てる接客、そして時代とともに変化するライフスタイルに寄り添い、進化を重ねてきたブランドの歩み。そのすべてを受け継ぎながら、これからの麻布テーラーを描いていく新たな拠点です。
今回語ってくれたのは、麻布テーラーの歩みを知る取締役 営業本部長の藤田 哲、空間づくりを担った店舗開発課の三枝 慎也、そして麻布本店の店長を務める太田 剛志の3人の言葉を通して、「azabu tailor 麻布本店」に込められた想いを紐解いていきます。
-
藤田 哲 (取締役 営業本部長)1999年の麻布テーラー立ち上げより参画。お客様の感性と身体に寄り添う一着を届けるべく、営業部門全体を統括。 -
三枝 慎也 (販売統括部 店舗開発課 SMG)店舗デザインやVMDを担当。ブランドの哲学を空間として構築するため、麻布本店の設計・設えを手掛ける。 -
太田 剛志 (麻布本店 店長)2007年から多様な現場で実績を重ね、ブランド初の「麻布本店」オープンに伴い店長に就任。
01
変わらないものがあるから、
変わっていける。
麻布テーラーの歩みを振り返ると、店舗の姿やオーダーのあり方は時代とともに変化してきました。しかし、国内直営工場でのものづくりやオリジナル生地の豊富さ、そしてスタッフの接客といった根底の考え方は創業以来変わっていません。
「時代が変わっても、しっかりとお客様にご満足いただけるものづくりを目指し商品をお届けする。そこは僕らがずっと変わらずにやってきたことです」― 藤田
現在掲げている「Cool,Cozy,Classic」という3つのキーワードも、その積み重ねの先に生まれました。かっこよくあること。心地よくあること。そして、時代が変わっても色褪せない本物を大切にすること。その考え方は、ものづくりだけでなく、店舗づくりやスタイリング、サービスにまで息づいています。そのなかでも、麻布テーラーが何より大切にしているのが「身体はもちろん、感性にもフィットする一着をお届けすること」です。
どれだけ豊富な生地やデザインをご用意していても、それだけで一着が完成することはありません。お客様との会話を重ねながら、好みやライフスタイルを知り、その方にとって本当にふさわしい一着を一緒につくり上げていく。オーダーという仕組みの価値は、そのコミュニケーションの中にあります。
「サイズを合わせるだけでなく、お客様の感性に響く、本当に気に入ってもらえる一着をご提案する。それは昔から変わらないスタッフ全員の想いです」― 藤田
では、なぜ今、「麻布本店」なのでしょうか。 麻布テーラーは1999年、南麻布を拠点としてブランドをスタートしました。それから25年以上が経ち、働き方や装いに対する価値観も大きく変化しています。スーツという軸は大切にしながらも、ジャケットやセットアップ、さらには日常のスタイルまで提案の幅を広げていく。その挑戦と原点回帰の舞台として、創業の地である「麻布」に初めての本店を構えることになりました。
「今だからこそ、ここでやる意味がある。変わらないものを持ちながら、どこまで時代に順応できるか。それが一つのチャレンジだと思っています」― 営業本部長・藤田 哲 麻布本店は、受け継いできた価値を土台に、新しい時代の麻布テーラーをつくっていく場所です。その想いは店舗の空間づくりにも息づいています。
02
「Cool,Cozy,Classic」を、
空間で感じてもらう。
受け継いできたブランドの哲学を、今度は空間というかたちで表現します。内装づくりで目指したのは、お客様が店に足を踏み入れた瞬間、「麻布テーラーらしい」と感じられる空気感です。 そのために、木やレンガ、落ち着いた色調を基調とした素材を選びました。ファサードにはレンガを取り入れ、麻布十番という街並みや本店にふさわしい重厚感を添えています。
「張り詰めた格好よさというよりは、やっぱり少し温もりを感じられること。木の質感だったり、そういうところは麻布テーラーらしさにつながると思います」― 三枝
なかでも象徴的なのが、接客テーブルです。「選ぶ」という時間そのものを楽しんでいただけるよう、設計にこだわりました。「あまり距離が遠くなりすぎず、お互いが近い距離感で接することができる。それもテーブルの大きさや配置で考えています」― 三枝
また、過去の店舗の什器や家具を受け継ぐことで、ブランドが積み重ねてきた歴史をこの場所へつないでいます。 そして、もう一つのアクセントとなるのが、イラストレーター・綿谷さんの作品です。本店ならではの試みとして、これまで 描かれた原画を常設し、シーズンごとに展示を入れ替えていきます。ただ飾るのではなく、空間を構成する一つの要素として取り入れました。
「絵がありきということではなくて、空間の中に一つのツールとして入れる。そういうところで麻布テーラーらしさを感じてもらえたらと思っています」― 三枝 慎也
03
これまでの経験を、
これから出会うお客様へ。
その空間を託されたのが店長の太田です。2007年の入社以来、さまざまな規模の店舗で経験を重ねてきました。
「これまでいろいろな店舗を経験してきたからこそ、その経験を生かして、ここで新しい麻布テーラーの存在をつくっていきたいです」― 太田
麻布十番には、長く暮らしてきた方もいれば、新しく住み始めた方もいます。ビジネスだけでなく、暮らしや家族、それぞれのライフスタイルが交わる街だからこそ、お客様の価値観に耳を傾け、心地よい装いを一緒に考えていくことが本店の役割です。 「ビジネスパーソンだけに限らず、もっと幅広いプロフェッショナルなお客様に、今の時代に合ったスタイリングを提案していきたい。麻布十番という土地柄にも寄り添っていきたいですね」― 太田
そのために大切なのは、一方的に商品をおすすめすることではなく、まずお客様と会話をすることです。経験豊富なスタッフも、これから経験を積んでいくスタッフも、それぞれが異なる感性やスタイルを持っています。その多様性こそが、麻布本店ならではの強みになるはずです。
大きく変えるのではなく、大切なものを守りながら少しずつ進化していく。麻布本店は、これまでの歩みを集約して終わる場所ではなく、新たな価値を生み出すスタート地点です。
「Cool,Cozy,Classic」。
麻布テーラーが掲げるこの3つの言葉は、単なるブランドコンセプトではありません。かっこよくあること。心地よくあること。そして、長く愛せるものをつくること。それは、服づくりだけに向けた言葉ではありません。 お客様が店を訪れ、スタッフと会話を重ね、多彩な生地やスタイルの中から自分だけの一着を選ぶ。その時間そのものが、心地よく、楽しいものであってほしいと考えています。そして完成した一着が、仕事の日にも、休日にも、その人らしい毎日に自然と寄り添っていく。そんな存在でありたいと願っています。
最後に、これから麻布本店を訪れるお客様へ、太田はこんな言葉を残してくれました。 「一人ひとりのお客様に本当に満足していただけるご提案をしていき、何十年も一緒に歩んでいけるような店にしていきたいです」― 太田
「azabu tailor 麻布本店」から、麻布テーラーの新しい物語が始まります。