似合うスーツの見つけ方①
みなさま、こんにちは。佐藤です。
私の夏休み前半戦はボイコットジャパンで話題(?)の韓国へ。
なぜなら好きな言葉の一つに「万事見にゃわからん。」(司馬遼太郎著『竜馬がゆく』より)があるので。
というのは建前で、少しでも涼しいところに避難したかったのと、飛行機国内便はお盆価格で高騰しているので一度国外に脱出して札幌行きの便を取ってしまった方が安上がりなのです。
何度か足を運んでますが真夏は初めてで、いやぁ、東京よりは少しマシかな?程度に十分暑かったです。
しかも今回訪れた大邱は盆地気候で韓国の中でも最高級に暑い街とのことでした…。
(冬はあんっなに寒いのに!)
まぁ、想像した通りニュースで報じられているコトは嘘ではないのでしょうが、ほんの一握り以下、ひとつまみでそれらが全てではありません。見習わなきゃいけないくらい明るく親切にして貰えて相変わらず楽しかったですよ。
言うなればこれまでブログでお伝えして参りました品物もほんのひとつまみなわけです。
前回お伝え致しました様に、新作生地も続々と入荷して参り…
これらのブックの中に百枚前後の生地があり、それが数十ブランドとございますので…
生地の枚数は幾千枚にも及ぶわけです。
要するにブログに掲載してなくても大人気の生地やカッコイイモノは沢山ございます。
そう、「万事、見にゃわからん。」のです。
ただよくお声を頂くのが、
「こんなにあり過ぎると選べないねぇ!」
「仕上がりをイメージするのが難しい…。」
等と言ったコト。
勿論、数千枚全てをテーブルに並べてハイ選んで下さいなんていう野暮なことはせず、お話を伺いながら的を定めていきますし、
生地単品で見るよりも…
袖型サンプルとの対比や…
普段よくお召しになるシャツやネクタイの色との噛み合わせ等でご着用イメージを僅かでも湧かせられる小技もあるのですが、やはり難しいのは自分に似合うかどうかと言ったお悩みかと思います。
店頭には数着ではありますがサンプルスーツもあり、検討している生地と近しい色柄のそれらが見つかり、試着してみてお顔映りを確かめられれば望ましいのですが、生地が数千枚もあると中々そうもいかないのが現状です。
ちなみに、小さい生地でも顎の下に持って来て鏡を見ると肌や瞳との相性は確かめられるので是非やって見て下さい。
その、似合わせに関して。
ウェブ上でその類の悩みを検索すると、パーソナルカラー診断なるものが出て来ます(個人本来が有する肌や髪、瞳や唇の色素と相性の良いカラーを4分類から見出す方法です)。
が!
私のごくごく個人的な所感、意見としては、あまりそれらを鵜呑みにし過ぎて服選びをして欲しくないというのが本音です。そういうものでファッションの楽しさや可能性を限定して欲しくないのです。
有資格の専門家と共にしっかりした照明下に於いて高粒子の鏡でお顔を見ながら診断するなら話は別ですが、付け焼刃の知識と自己判断でスピード診断をしようものなら自分の髪が赤いこげ茶か青いこげ茶かどうかとか、唇がピンクだのオレンジだのって…
「そう言われればそうかもしれないし、そうでないかもしれない…。」
というのが総意になってくると予想します。
ですが人間の視覚情報の80%は「色」といわれ、脳への伝達速度も「色」が最速との研究結果も目にしました。
やはり重要であるからこそ、悩みの大部分なのかもしれません。
「ネイビーは似合うけどグレーは似合わない…。」と思っていたけれど加齢による髪や肌質の変化により「最近どうもそうではなくなって来た。」、そういったことは誰にでもあり得ます。
又、ネイビーはネイビーでも明るいのはしっくり来ないかもしれないし、苦手意識のあったグレーでも暗いのは似合うかもしれない。はたまた似合わないと思っていた明るいグレーでも起毛感があればしっくりくる、なんてこともあります。
そして選んだ生地は青白い蛍光灯に照らされた明るいオフィスで着たいのか、
白熱灯下のムーディーな環境で着たいのか。
TPOに即した当たり障りの無いデザインが良いのか、
色による心理効果を用いて戦略的に印象を操作できそうなデザインが良いのか。
スーツの二大基本色、ネイビーを採ってもグレーを採ってもそれらによって選び方は変わります。
新シーズンも始まったことですし、次回から今月末に掛けての内容にてそういったお悩みに対して少しでもお力になれれば幸甚の至りです。
ただ、似合うものを最短距離で選ぶためのロジカルな教則的内容は期待しないで下さいませ。
誠に僭越ながら、あくまでもまだまだ発展途上であります私の個人的な経験論を以て、
「迷っている時の決め手になるもう一押しのヒントとして」の要素や、
「ネガティブなイメージを抱いてしまっていた色への先入観を払拭するヒント」程度に御笑覧下さいますと嬉しく存じます。