「されど」洋服

今年一発目の投稿となってしまいました。
誰かが「2021年1月はまるで2020年13月の様だ」と。
言い得て妙ですね。
世間としてはホント変わってほしい雰囲気も変わらぬまま大人しく地球だけが公転したみたいでしたね。
ただ今月は確実に2021年2月の暦を感じております(どこ行った1月!)。
なぜかってもう、やっぱり改めて感じますね。
衣替えこそが本当に手っ取り早いリフレッシュだと思うんですよ。
部屋着であれ仕事着であれ、日常では誰しもが何かしらの衣類に袖を通しっ放しなわけですから。
敢えてネガティブワードを用いるならば「どうせ」着るのなら少しでも気分の良くなるきっかけは多ければ多いほど良いでしょうしね。
もっと言えば「たかが」洋服で落ち込んだ気分が全て爆上がりして悩みが全部解決するなんてことはかなり考えにくいですが、いかなる「不」や「悪」も少しずつのきっかけでコツコツ打ち勝つのが結局は一番の近道だったってことも少なくないと思います。
ホームラン1発打たれて1失点するよりもシングルヒット4連打で1失点する方が、同じ1失点でもピッチャーは後者の方がガクッと効いて嫌なんじゃないかなっていうのと…近…くはないでしょうか(脇役の私はピッチャーなんていう花形ポジに就いたことが無いのでわかりませんが)?
というわけで少しでも皆様の気分転換、延いては日常のシングルヒットのお手伝いやきっかけになればと存じ、今月はこのページを通じてベンチからあれこれサインを出します。
Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア) L∞P(ループ)より。
出来栄えはこんな感じ。
Single Suits Price ¥121,000 Double Vest Price ¥42,900
※光加減で色がどっちつかずボヤッとしてスミマセン、ネイビーの方です
毛芯ならでは、胸元のフワッとした立体感がハイクラス感を演出。
生々しい表現を許していただけるのなら
「これは売れるな…」
というのが筆者直感の生地です。
イタリアサルトリアテイスト満載のベルトレスに新オプション持ち出しロング!
イタリアからフランスを跨ぎ、コチラはブリティッシュなチェンジポケット仕様。
歴史や伝統、背景を携えた上で各国らしいディティールをフュージョンさせたスタイルが昨今の傾向でしょうか。
スリットはサイドベンツ。
ワイドピッチなストライプはコチラの方が後ろ姿に於いても柄特有の力強さが死にません。
内側は帰国してイタリア生地らしく一枚丸(R)型台場仕立て(¥3,300)。
しなやかな生地でも力強く大胆に。
そしてこのLOOP(L∞P)シリーズ。
従来、ゼニアを代表するトロフェオやミルミル等、ごくごく限られた一部の稀少素材を用いる超高級生地を製造するにあたって、廃棄されていたその他の部分のみを集めて精製されたのがこのLOOP。
よって羊レベルにまで遡ってもクオリティの高さはお墨付き。
ですが上記トロフェオ等(参考価格¥250,000~¥350,000-)と比較すればリーズナブル(十分高級なんですけどね)。
各業界サステナブルサステナブル叫ばれる昨今。
衣料品業界も例外ではなく…、というか環境負荷の高い業界だからこそ影響力のある一流ブランドからこういった取り組みをしなければ本当に環境に負荷を掛けているであろう大衆ブランドは動こうとしません。
サステナブルは少し異色ですが、それに等しく巷で「流行り」といわれている色や柄、シルエット等ファッショントレンドの仕組みって往々にしてこうなのです。
トップからマス(大衆)へ。
そんな現代的素材でありながら袖口は伝統的なくっつき式本切羽(¥3,300)。
Tie ¥8,250- Chief ¥1,650
「1960年代風」が麻布テーラーも注目しているトレンドキーワード。
ワイドピッチなストライプにはワイドラペルのコンチネンタルモデルがオススメです。
高度成長と共に夢や希望、活気に溢れていたと聞こえてくる当時への憧れや、現代に至るまでその土台を築かれている各個人(また故人)への畏敬の念は筆舌に尽くしがたいものがあります。
ただ完全完璧に誰もが幸せな「善」の時代など無く、逆に現代が完全完璧に誰もが不幸な「悪」の時代とも思いません(何なら2020年が「密」と無縁であった開放的空間で一人ぼっちの日本人もどこかには居ることでしょう)。
苦難は多いですが、当時よりも確実に時代や人々は賢くて優しくなっているのは少し歴史を学べば簡単に感じ取れます。
そんな現代的ならではの賢くて優しい素材で歴史に敬意を携え、トラディッショナルな力強い柄を身に纏うことで何とか当時の諸先輩たちの様に力強く明るく前向きに働きたいものです。
この柄はベスト単品でもカッコ良いので是非!