4分で読めるのまブログ「シーアサッカー」
今この時期にお仕立ていただきたいシーアサッカー生地。スーツ又はジャケットでどうぞ。大別すると3つのテイストでご注文いただくことになるでしょう。
1.トラッド要素を盛り込んでアイビーの文法通りに。2.クラシックなビジネス~タウン~リゾートスタイルで。3.スニーカーと合わせるようなカジュアルサイジングに振り切ったプライベートウェアとして。
2ですとこちらのイラストレーションの様な感じですね。綿谷寛画伯の筆による麻布テーラーの広告作品です。こういう風に装うのが憧れだなぁという着こなしの良きお手本です。
気になる着用期間ですが、夏物のビジネス向けコットンスーツは合衆国でいうところの「Labor Sunday」(9月の第1月曜の前日)までというのが洋服屋の感覚です。とはいえタウン向け、ここは日本、そしてシーアサッカー生地ともなればむしろ暑いと感じる時期や場所でこそお召しいただきたいです。
ホームページからご予約いただき「シーアサッカーの生地を探してるんだけど」と事前にお声がけくださればこのような感じで生地見本をご用意することも。
ご参考までにお仕立て価格は左バンチブックからこのようになっております。
生地メーカー/スーツ価格/ジャケット価格(オプション代別途)
▪Loro Piana/¥160,000+税/¥104,000+税
▪CANONICO/¥80,000+税/¥51,000+税
▪C.BIELLESI/¥70,000+税/¥44,000+税
▪LEOMASTER /¥70,000+税/¥44,000+税
▪ANGELICO/¥70,000+税/¥44,000+税
▪ZANIERI/¥60,000+税/¥37,000+税
広島店でサンプル作成しておりますのはこちら↑ZANIERIの生地です。綿100%。皆様が思い浮かべるこれぞシーアサッカー的な生地かと思います。
そしてこちら↓LEOMASTERは私のおススメ。白部分がやや乳白色でポリウレタン2%混紡の綿素材。
現在に繋がるシーアサッカーを絹から綿素材に載せ換えて成功したのは合衆国の素材メーカーで、ポリエステル混紡の普及に大きく貢献したのは日本の素材メーカーというイメージが先行するのですが、最近では綿×ポリウレタンや綿×ポリエステルの高級生地を織らせたらやはりイタリアが上手いのですよ、お父さん。
さて、私は予てより「ニットタイは黒が最強」説を唱えておりますが皆様はお持ちでしょうか?シルクを贅沢に用いたイタリアメイドが¥5,500+税ですので麻布テーラーでも指折りの優良商品だと思います。シーアサッカーとも好相性ですので併せてご紹介いたします。
大体同じ長さで結わえてみました。左の紺がオリエンタルノットで右の黒がプレーンノットです。
左のオリエンタルノットの方が巻きが半回転分少ないためノットが小振りになります。ニットタイはノットの左右非対称加減が目立つというお声やディンプルが作りにくいというお声を耳にすることがあります。そういう方はオリエンタルノットを取り入れていただくとよろしいと思います。オリエンタルノットはネットで調べればすぐに分かる簡単な結び方です。年長のスタッフなら知っているでしょうからコツはリアル店舗にてお尋ねくださいね。
黒ニットタイをプレーンノットで。
黒最強。 ※個人の見解です
紺をオリエンタルノットで。
より左右対称な結び目に。
こちらも綿谷寛画伯に描いていただいた麻布テーラーの広告イラストレーション。私は特にこちらの作品がお気に入りです。先にも申しましたがこう着ると素敵だなという本当に良きお手本です。
パンツ生地にはサマートロピカルウールを合わせましょう。センタークリースのプレスをバチーッと効かせてお召しいただくのがお約束です。
ちなみにシーアサッカー生地のパンツであってもクリースは入れてお穿きいただけますのでご安心ください。アイロンプレスを行うくらいで生地の凹凸はなくなりません。スーツはその製造工程で身頃にプレスを施しているわけですし、パンツ裾のカフス処理にもプレスがキッチリと効いているのですから。
靴の理想はホワイトリネン素材やホワイトバックス、サドルシューズなどです。
現実的には画像↑のようなタッセルローファー(左)やコインローファー(右)でしょうか。こちらの場合、靴下を履かないならば簡単にサマになるのですが、ドレスシーンで靴下を履く際は何色を用いるのが宜しいでしょうか。シーアサッカーのコーディネートにおいて一番難しいポイントは靴と靴下ではないかと思います。
…と少々長くなりましたので続きはお店でお仕立ていただく際にお話しいたしましょう。
最後にお手入れについて触れておきます。以下は麻布テーラー自社工場仕立ての綿100%ジャケットに付いている洗濯表示マークが意味するところです。
家庭用洗濯機では洗えません。漂白剤も使えません。タンブル乾燥も不可です。アイロンは中温(底面温度150℃限度)でかけられます。弱めのドライクリーニングが出来ます。ウェットクリーニング処理は出来ません。
クリーニング店の汗抜きコースはウェットクリーニングに該当しますので残念ながらご利用は適いません。ドライクリーニングだけでは襟や袖口の黄変が防げませんので、古典的ですが固く絞ったタオルで叩くようにして皮脂汚れをタオルに移し取って酸化を防ぐのが効果的かと思われます。
03:56:15
野間 剛