のまレビュー【靴・オリエンタル編】

のまレビュー【靴・オリエンタル編】

麻布テーラー広島店と二子玉川店は靴の人気セレクトショップである
トレーディングポストのホワイトレーベルを展開しています。

今回は数ある取扱いブランドの中からオリエンタルの靴をご紹介いたします。
とあるシューデザイナーさんの靴も手掛けていますのでコアな靴好きの方は
ご存知のシューメーカーかもしれません。

オリエンタルシューズは設立が1957年の日本ブランドです。
本社は奈良県大和郡山で法隆寺や中宮寺から程近くに工場を構えています。
奈良loverな私はそれだけで親近感が湧きます。

先ずはストレートチップのモデルWilliamから。

見た目の第一印象は「底付けが丁寧!」です。
有機的な綺麗さからは仕事に求める基準の高さが伺えます。

黒靴に使われているボックスカーフがまたかなり良さそうです。
底光りのする奥行きある黒。質感もムッチリして鍛えられた筋肉の様です。
鏡面磨きもしやすそうですし、クリームだけでもいい味が出そうな革質です。

Williamに穴飾りの付いたモデルStanleyもございます。

モデルBarry

モデルCampbell

モデルPhilip

日本人の足型傾向は長らく甲高幅広と言われていましたが最近はそうでもなく
甲低幅狭に移行している様です。ですので日本人の足型に合った木型、という表現だけでは
どの年代のデータなのか母集団の基準がやや曖昧ではないかと感じます。

やはり足型は人それぞれと認識して店頭では個人の特徴に合わせての木型提案が望まれます。

それではトレーディングポストホワイトレーベルで取扱いのある十数型の木型を
全部試してみた上での印象や相対的な特徴を私なりにお伝えします。

履き心地の第一印象は「フィッティングの概念が違う!」です。
ホールドに対する設計思想が明白で独自性を感じます。

小さめのヒールカップ、高い土踏まずのアーチ、低めの甲。
先ずこれらの形状により足と靴が心地よく固定されます。

踵を後側と内外側からU字型に掴む様な足入れの感覚が新鮮です。

靴好きの方は踵の抜けを気にしてコンパクトめのサイズ選択をしがちかと思いますが
オリエンタルの靴は前提としてその踵部分への根本的な対策ができた木型になっています。
(それってつまりはスリップオンにぴったりの木型ということなのでは!?)

だからこそ足長に応じた爪先の捨て寸、細すぎないウィズ設定が活きており
足の動きを妨げない作りの恩恵を本来の意図どおりに受け取ることができます。

木型1216(今回ご紹介のモデルはすべてこちらの木型です)

全体的に甲が低め(薄め)です。

一文字飾りよりも踵側で足指の付け根辺りの甲が低め。
余計な履き皺が入りづらいのでこの部分が浮いてしまう方にお勧めです。

靴紐が付いている辺りで一般的に足の甲と呼ばれる部分も低め。
足の甲を低い接地面で捉えることで靴の中で足が前にズレるのを防ぎます。
指先が部分的に当たってお困りの方には一つの対処法となり得ます。

踵は小さめです。足首に向かって口が狭まった形状をしています。
後ろから見ると巾着の様に踵を包み込んでいるのが分かります。

履き込みが浅めなので相対的に踝の下のカーブラインが低い位置に来るため
歩行時に踝の骨と靴が擦れて痛いということも避けられると思います。

つま先は内側がやや直線的で外側が曲線的なラウンドトゥです。

内側も曲線的なアーモンド状の作りの靴と比較してみると
靴によって先導される歩行時の重心軸と足の骨格軸との角度差が少ない分
外反母趾気味の方は特に歩きやすいと感じていただけることでしょう。

土踏まずが内側に強く絞られていてハイアーチになっています。
甲の前半分の薄さと相まって地に足の着いた古き佳き英国靴を思わせるフォルム。
デザインはやはり日本のシューメーカーらしさを覗かせた顔つきになっています。

シンプルさの中にオリエンタルというシューメーカーの個性がギュッと詰まった
コレクションです。今後さらに認知が進み評価が高まる国産ブランドだと思いますので
ご興味を持たれた方は今のうちにチェックしておかれますことをおすすめいたします。

トレーディングポストホワイトレーベルブログはこちら

オリエンタルシューズ 各モデル¥48,000+税

野間剛

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