雑誌『Gentry』をご存じでしょうか。
広島店入り口の模様替え用に家から雑誌『Gentry』(2004年~2006年)を
全号持ってきました。創刊号が2004年11月ですからもう17年前なんですね。
紳士のためのライフスタイルマガジン、いわゆるファッション誌です。
紳士服業界の諸先輩方なら前身である『MEN’S CLUB DORSO』(2000年~2004年)を
未だ捨てられずに持っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私がこちらを読んでいたのは麻布テーラーで働き始めたころです。懐かしい。
内容は純度の高い本質的な情報ばかりでこの仕事に就いている私の知の財産となっています。
若手スタッフのみならず、お客様もご覧になれれば一回り成長できるおススメの雑誌です。
文章・写真・広告に至るまで趣味が良く、紳士のセンスオブヒューモアを体現しているようです。
惜しむらくはその刊行期間です。僅か2年と短くあったのはその妥協のなさゆえでしょう。
ともすれば、文責の知れない劣化コピー&ペースト情報が氾濫するこの時代で
リソースを割き、生真面目に何かを論じるのは非常に難しいことです。
紳士服の世界でも安きに向かう流れは(それはそれで良さもあり)止められないと思います。
それでも紳士(服)の一流と呼ばれるものにはこんなに素晴らしい世界があるんだよ
ということを知ることは人生の悦びのひとつであるように思います。
教条的に陥ることなく軽妙洒脱な紙面で紳士服のエッセンスが学べるこちらの雑誌『Gentry』。
私は捨てられずにずっと持っていると思います。
野間 剛