麻布テーラー広島店でオーダー『夏に気持ちいいスーツ』をシュミレート
いつも麻布テーラー広島店のブログをご覧いただきありがとうございます。
つくしの子が顔を出すと、もうすぐ春です。
陽気に誘われ散歩していると汗ばむ季節になりました。
最近は夏用スーツのお問い合わせが増えています。
温暖化で暑い季節が長くなり、サマースーツの着用期間も長くなっています。
通年向きのスーツではやっぱり過ごしにくいというお声が多いですね。
そこで今回は「夏に気持ちいいスーツ」のオーダーをシミュレートします。
夏が快適なスーツ
➀セットアップ感覚で着れるサマースーツ。
②艶感よりは、季節感。
③スーツの源流はイギリスだ。
④名作、大定番に興味がある。
以上の条件でスタートです。
➀生地選び ーSELECT A FABRICー
おすすめは、フレスコやポーラーと呼ばれる強撚糸を使用した生地です。
所謂トロピカルウールと言われる一般的な春夏向けよりヘビーですが、
ざっくりとした生地は、清涼感のあるさらっとした肌触り、通気性の高さが特徴です。
2本または3本の糸を強く撚った強撚糸を使用し、耐久性が高くシワになりにくくトラベルスーツとしても優秀です。
極細糸の繊細な生地も良いですが、太めの糸を使った生地も季節感があり雰囲気が良いです。
ビジネスユースなのでなネイビー無地で選びます。
候補は3点、時代に左右されない名作揃いです。
Martin Sons＆Co「FRESCO®」 100% wool 310g
シングルスーツ ￥110,000
フレスコは1907年マーティンソンによって開発され、商標登録されています。
サマースーツ生地の大定番で、通気性が高くハリコシのしっかりした生地です。
Fox Brothers「FOX AIR」 100％ wool 285/315g
シングルスーツ ￥220,000
フォックスと言えばフランネルが有名ですが、サマースーツにも名作があります。
1930年代のコレクションから復刻されたフォックスエアのテーマは「The perfect cloth for a World Traveller」だそうです。
フレスコよりもざっくりした印象です。
広島店にサンプルスーツ有ります。
雰囲気がありますね。
DORMEUIL「Tonik®Wool」 100% wool 290/310g
シングルスーツ ￥198,000
1957年にデビューのトニックですが、生地が完成した時にジン･トニックで祝杯を挙げたことから命名されたというのは有名な逸話です。
トニックウールはモヘア混のトニックの生地感をパタゴニアウールのみで再現しています。
ポーラーではありませんが、通気性が高くナチュラルストレッチもあり機能性も優れています。
左からトニックウール、フレスコ、フォックスエアです。
季節感・生地感、甲乙つけがたいですが、今回は機能性だけでなくトレーサビリティまで確保し、進化し続けている「トニックウール」をチョイスしました。
②スタイル・ディテール ーCHOOSE YOUR STYLEー
極薄の接着芯、1ｍｍの極薄肩パッド、キュプラメッシュ裏地などを使用し、軽量で通気性の良いエアライト仕立てでオーダーします。
シルエットは気分でクラシコイタリア
ジャケットはセットアップ感覚で、腰ポケットはレギュラーパッチ、ステッチは6mmステッチをチョイスしました。
袖口の本開きはこだわりたいです。
パンツは２インプリーツで、ピスポケットは左右蓋付き、ベルトループなしの尾錠付きベルトレスです。
上下別々に使用できるブロークンスーツ感覚です。
③付属 ーACCESSORIESー
釦は軽快感でナット釦、裏地は滑りと通気性に優れたキュプラメッシュ裏地です。
同系色は外し、ブラウン系で揃えます。
エアライト仕立てはパンツも吸湿速乾腰裏です。
④合計 ーTOTALー
⑤後記 ーPOSTSCRIPTー
今回は逸品揃いで生地選びで時間がかかりました。
コストパフォーマンスで言えば、フレスコも良かったです。
ビジネスユース重視なら、腰ポケットと釦を変えてベルトループ有りで印象が変わります。
サマースーツの定番、独特の光沢感やハリコシのあるモヘア混の生地も考えましたが、今回はざっくりした質感で選びました。
予算や着用シーンに合わせてご提案いたします。
コーディネートのご相談も承ります。
是非お気軽にお立ち寄りください。
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