今年もオーダーコートを考える。#2

前回は麻布テーラーのオーダーコートのフィロソフィについて語りましたが、今回は予告通り商品にクローズアップします。

まずは、今年の1月のピッティウオモでのスナップを見てください。

私が撮った写真なので綺麗なアングルで撮れてはいませんが、無造作にたたずんでいる4人のコートスタイル。これこそが、最旬のコートスタイルの縮図だと思います。数シーズン続いたナイロン系のダウンアウターなどのスポーティなスタイルからクラシック回帰の流れにより、例年以上に起毛素材のテーラードコートに注目が集まっています。

もうひとつ、カラーに注目です。定番でありトレンド色でもあるネイビーも継続しての人気ではありますが、新たに台頭してきているのはグレーのバリーションです。写真の4人も偶然にもミディアムからライトグレー、グレーベージュなどのグレーカラーです。

一見すると難易度が高そうに思われるグレーコートですが、意外にも幅広いシーンで今っぽく装えるのです。スーツスタイルは勿論のこと、ブルーデニム、ホワイトパンツなどとも高相性です。

次に、綿谷画伯に今回のコートフェアのために書いてもらったのが、このイラスト。

グレートーンの起毛素材をイメージしてテーラードコートの様々なルックスを描いてもらいました。私の最初のインスピレーションは前の写真でしたが、ハリキリ過ぎのイタリアフレーバーではなく、麻布流の品格あるスタイルに生まれ変わりました。

そして、もう1枚。前述の2枚を実際の商品に落とし込んだ写真です。

ピーコートは、トレンドのやや着丈を長めに設定したドレスデザインにアレンジ。ウール・アンゴラ・カシミヤの三者混は、ほどよい光沢感のあるモダンな大柄グレンチェック。

ダブルトレンチコートはセットインスリーブ仕様のコンパクトサイズにアレンジ。一見するとウール素材ですがラミネート加工を施した透湿性・防風性・保温性に優れた機能素材。

新デザインのシングルアルスターコートは、着丈を短めにモダンにアレンジ。シックで暖かみのあるフランネルをチョイス。

クラシックなアルスターコートはディテールを再現しながらも、コンパクトサイズにモダンにアレンジ。トレンドのブークレ素材でモダンクラシックに。

チェスターフィールドコートは、軽さを重視したスポルベリーノ仕様にアレンジ。大きめのバーズアイは注目ファブリック。

並びは違いますが、綿谷画伯のイラストとかなり近いイメージですね。

最後に話題の「MEN’S CLUB 60周年号」に掲載されている麻布テーラーのオーダーコートの掲載ページです。

2着目のグレーコートは“起毛系”で遊ぶ!これでトドメです(笑)。

私がピッティウオモで見たあの1シーンからここまで流れて、店頭、そしてお客様のもとへ。ディレクター冥利を感じる瞬間です。勿論、ここまで来るには社内外の様々な協力があってからのことですから、感謝・感謝であります。しかし、私を含め全ての関係者が嬉しい瞬間は、沢山のお客様にご注文をいただき、沢山のお客様に喜んでいただくことです。いよいよ、本日からオーダーコートフェアがスタートします!!!!

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