今、絶対推しの生地教えます!#4
店頭は春夏シーズン一色ですが、我々は来秋冬シーズンの新企画ワークの大詰めをむかえています。そのような時期ということもあり、プレゼンテーションのために海外からサプライヤーの来日も続いています。
先日は、赤いバンチがトレードマークのHarriasons of Edinburgh(ハリソンズオブエジンバラ)を展開している英国最大のマーチャント(服地卸商)であるLBD-HARRISONSの社長と、私の古くからの悪友??日本の老舗マーチャントのK社長に来社いただきました。
だからということではありませんが、麻布テーラーのディレクターとして今シーズンに皆様におすすめしたい生地を数回にわたってご紹介する「今、絶対推しの生地教えます!#4」はコチラをご紹介します(笑)。
Harriasons of Edinburgh「mirage」
1863年に後のエジンバラ市長であるサー・ジョージ・ハリソンによって創設された名門マーチャント(服地卸商)。トレードマークの赤いバンチで展開される高品質かつ豊富な服地コレクションは、多くの名門テーラーやオーダーサロンで取り扱われ、欧州の王侯貴族をはじめとした世界中のVIPから愛されてきました。
その中から「mirage」というファブリックをご紹介します。ビジネスシーン以外でも気品ある装いが求められるエグゼクティブのために生み出されたこの生地は、適度なリラックス感とシルク・リネンの上品な美しい風合いを併せ持ち、春夏秋の3シーズンにわたり着用可能です。
最上の原毛を用いてしっかりとした打ち込みで織り上げられているハリソンズ服地のジャケットは、アイロンでクセをつけやすく仕立て映えすることも特徴です。夏のトラベルシーンでも活躍できるプレミアムファブリックです。
英国服地と聞くと耐久性と仕立て映えに優れている点をイメージしますが、ジャケットで必要とされる軽さという点ではイタリア服地に劣っているという先入観もあるのも事実です。しかし、近年のジャケットは芯地やパットを配した軽量仕立てが主流になっているので、美しいシルエットを作り出すための機能を芯地やパットなどの副資材に頼らずに、生地のみで構築する必要もあります。
そのような意味からすると、ジャケット生地も英国という選択肢もあるのではないかというのが、私がおすすめするポイントでもあります。
こちらの写真を見てください。実はスポーティな芯なしパットなし仕様です。その仕立てと思わないほど構築的なシルエットなのでドレッシーさも同居しています。
この写真の色は品切れになっていますが、私のおすすめは色違いのこのネイビーです。万能色であるネイビーがベースにありながら、ウインドペーン(格子柄)の意匠糸色が効いているので、格子柄に合わせた同系色の定番ベージュ系チノパンにマッチします。ネイビーがベースなので、オフでのジーンズに合うのも言うまでもありません。
オーダーでの生地選びは、このようにコーディネートや仕立てを前提にイメージしてからセレクトすると意外にも簡単です。もちろん、麻布テーラーではスタッフがこのようなアドバイスもさせていただきます。今年のクールビズは英国素材でジャケットはいかがでしょうか?