今、絶対推しの生地教えます!#1

今、絶対推しの生地教えます!#1

先日、子供と近所の花火大会に行ってきました。夏の風物詩の花火大会ですが、一方これで夏も終わりだなぁ~と思うのは私だけでしょうか。常に先シーズンを見て仕事をしている寂しい職業病かも知れませんね(汗)。

さて、先シーズンを見てといえば、麻布テーラーのお客様も同じ。この暑い中、沢山の秋冬物のスーツを既にご注文をいただいております。今回は、毎シーズン好評をいただいている!?麻布テーラーのディレクターとして今シーズンに皆様におすすめしたい生地を数回にわたってご紹介する「今、絶対推しの生地教えます!」をお送りします。第1回目は「エルメネジルドゼニア」です!

Cloth Ermenegildo Zegna×azabu tailor

~ラグジュアリーコラボレーション~

【14MILMIL14】WOOL89% SILK6% CASHMERE5%

エルメネジルドゼニアの歴史は長く、1910年に羊毛の製織として営んでいた工場を同社が引き継ぎ、服地工場を設立したことに始まります。100年を超える歴史の中で高度な技術力と長年培われてきた信頼により、ラグジュアリーメンズウェア業界をリードし、紳士服用の最高級テキスタイルを世界に提供してきました。そして、そのゼニアから私がリコメンドするのが「14MILMIL14」です。ちなみに、イタリアでの読み方は「クワットロディッチ ミルミル クワットロディッチ」。あまりに長いので、店頭スタッフは何と言ってお客様にご提案するのか、少し楽しみです(笑)。

 

冗談はさておき、原毛改良への終わりなき努力によって誕生したのが、このカシミアにも劣らない直径14ミクロンの超細番手のウール、さらにシルクとカシミアをブレンドした「14MILMIL14」。その心地よい手触りと究極の快適さを、贅沢にもミルド調に仕上げることでウォーム感も演出。ラグジュアリーでスポーティな究極のファブリックは、スーツだけではなくジャケットやパンツ単品使いにも最適です。ちなみに、このファブリックは良く〇〇ネロ〇〇ネリさんとか使用しているので、何となくラグジュアリー・スポーティなイメージは伝わるのではないでしょうか。

 

そして、もうひとつサプライズ企画を仕込みました。長年のエルメネジルドゼニア社との取り組みにより、同グループのAGNONA(アニオナ)社に同素材でのマフラーも製作依頼。同素材、同柄でありながら、マフラー用に織りを変化させて、高級感をそのままに柔らかさと膨らみを持たせました。スーツとマフラーをコーディネートするラグジュアリーな麻布流の新アンサンブルスタイルをご提案します。

実は、このアイディアを思いついたのが、昨年にイタリア ビエラのトリベロにあるゼニアの服地工場に訪問したときでした。

この服地工場に隣接しているエルメネジルド ゼニアの生家あとに立派なミュージアム。テキスタイルだけではなく、プレタポルテのアーカイブコレクションも展示されていました。そして、この写真を見てください。ベストと共生地のストール???

聞くと、マフラーの織機も併設しているとのこと。この時にすぐに今回の企画イメージが膨らみ、開発の進行をお願いした訳です。しかし、商品化するまでに何回も困難訪れました。。。原料やデザインは同じにしても、マフラーの柔らかさがイメージ通りにいかない。。。マフラー優先にすると、ベースのスーツファブリックとかけ離れてしまう。。。ようやく、マフラー用に織りをあまく修正することで完成しました。2ピーススーツに同じマフラーで3ピーススタイル、3ピーススーツに同じマフラーで4ピーススタイル、麻布テーラー流だからできるビジネスアンサンブルコーディネートだと思います。

 

これが完成して、ほっと一息。ゼニアのエスプレッソは格別の味だったのは言うまでもありません(笑)。

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