今、絶対推しの生地教えます!#1

先週末は、子供と近所の花火大会に行ってきました。夏の風物詩とも言える花火大会が終わると、いよいよ秋の始まりを意識してしまいます。
秋の意識といえば、我々にとっては装いです。スーツやジャケット・パンツ、コートなどドレスウェアを楽しめるとても嬉しい季節です。私も皆さんに装いを楽しんでいただける秋冬シーズンの企画を沢山考えました。本日は、お客様の装いを作る上で、最も大切な生地のお話しです。
毎シーズン好評をいただいている!?麻布テーラーのディレクターとして今シーズンに皆様におすすめしたい生地を数回にわたってご紹介する「今、絶対推しの生地教えます!」をお送りします。第1回目は「SCABAL CLASSICS」です。
azabu tailor×SCABAL
「CLASSICS」100% WOOL 360g
1938年にベルギー・ブリュッセルに設立された世界最大のマーチャント、スキャバル。数あるスキャバルコレクションの中で、1960年代から最も定評のあるコレクションのひとつである「クラシックス」に着目して、英国クラシックスタイルの真髄であるグレンプレイドを色柄別注した、世界で麻布テーラーでしか展開していない特別な生地になります。
たて糸、よこ糸共に双糸を使用する事で、仕立て映えするのはもちろんのこと、シワにも強く、耐久性があり、手入れのしやすさも魅力です。そして、色にもこだわりました。定番のグレーの他にブラウンも作りました。スーツ発祥の国であり、着こなしにおいても厳格なルールが求められる英国では、柄の入ったブラウンは、本来カントリーサイドで着用すべきものとされています。しかし、トレンド筆頭カラーのブラウンをなんとか、ビジネスシーンにも馴染めるような色出しができないだろかと私は考えた訳です。答えは、シティに溶け込むグレイッシュなブラウンでした。上の生地だけの比較をするとブラウンと分かりますが、下のスーツに仕立てた写真を見ると、グレーに見えませんか??
この生地で仕立てたグレンプレイドのスーツは、正統派であると同時にトレンドも感じさせます。真のクラシックスタイルは決して時代遅れにならない。そんな言葉を体現するのにもぴったりです。
1月のピッティウオモでもドレスウェアはブラウンだらけ。私はそんな流れを直球で表現しません。あくまで、リアルビジネスマンに向けて、個性を保ちながらリアリティある装いに変換することが麻布テーラーフィルター、そして私の使命だと思っています。リアリティある装いに変換できていない私がいうのもおかしいですが(笑)。