ポケットチーフはテッシュと同じ!?

ポケットチーフはテッシュと同じ!?

最近、クローゼットで乱雑になっていて、ずっと気になっていたポケットチーフを整理しました。

私のポケットチーフデビューは、1995年の入社式の時です。同期入社の仲間と一緒に買いに行った事を、何故か鮮明に覚えています。チーフを指していると、女性にモテない説が広まり、一時期はしなかったこともありますが、チーフ歴はスーツ屋歴と同じ27年ぐらいです(笑)

 

さすがに、27年前のチーフは残っていませんが、やはりそれなりに持っています。海外で買ったものも多いですが、自らが企画したチーフの使用頻度が多いです。

 

このように、我々の業界では当たり前のようにしているアクセサリーですが、日本では一般的に浸透しているとは言えない状況です。しかし、麻布テーラーでは、この環境下の中でも売上を伸ばしています。私もビックリしています!スーツスタイルにこだわる麻布テーラーのお客様ならではの浸透度であります。

 

チーフは何も難しいことではありません。四角にたたんで「TVホールド」、中央をつまんで丸め、ふんわりした側を見せる「パフト」や逆に角を花びらのように見せる「クラッシュト」、最もフォーマルな場面に適した「スリーピークス」の基本は4つの指し方。

ポケットチーフはもともとハンカチから派生したものなので、古いヨーロッパやハリウッドの映画では、無造作にポケットチーフを胸元から取り出して、鼻をかんだりするシーンを見かけます。歴史的な背景から考えても、気軽に差すのがポケットチーフだと私は思っています。テッシュだと思えばいいのです(笑)

 

素材はリネン100%で色は白が基本。胸にボリュームのない人日本人は、着こなしに立体感が作れる利点もあります。リネンの場合はTVホールドでポケットからのぞかせる分量は控えめでいきましょう。

 

気分をさらに上げたい場合は、シルクのプリント柄もいいですね。スーツの色に合わせた濃淡で考えた方が簡単です。私はシルクプリントチーフには、パフトクラッシュにします。シルキーな素材使いで装いに華を添えるため、冬はタートルや夏はポロシャツなどのノーネクタイスタイルはシルクをあえて多用します。

 

最後に麻布テーラーでは、リネンのポケットチーフにイニャルを入れるカスタマイズもできます。私は、アンダーステイトメントの精神で、白のリネンに白でイニシャルを入れています。名だたる伊達男たちは、スーツやシャツのオーダー服はもちろんのこと、既製品のアクセサリーにも後加工によるイニシャルを入れます。それに憧れた私がスタートさせた思い入れのある企画でもります。

約15年前にロンドンのポートベローマーケットで購入したアンティークのシルバーシグネットリングに帰国後に知人に頼んで、自分のイニシャルを刻印しました。このチーフをする時は、このリングを付けます。この考えは、洋服屋ならではのオーバーステートメントなのでおおすめしません(苦笑)

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