上月のきづき#2024年秋冬シーズンテーマ
現在、お盆休みで実家のある新潟に帰省中です。子供達が成人を迎え、一緒に帰省しても観光で動き回ることもなくなり、ゆっくりと美味しい食事とお酒を楽しんでおります。父も母も息子と孫達と一緒にお酒を飲めるのは、感慨深い様子でした。
そんな帰省中に時間を持て余して、日記代わりにこのブログを書いています(苦笑)。私はもう少しお盆休みを頂いていますが、麻布テーラーは秋冬シーズンの新作生地が入荷して、いよいよ8月17日(土)より新シーズンに突入します!
私からは、恒例のシーズンテーマのお伝えします。今シーズンは「Royal Classic!」をテーマに掲げました。 テーラードファッションの源流は英国にあります。アメリカントラッド・フレンチトラッド・クラシコイタリアと時代を彩ってきたスタイルも、元をたどれば英国に行き着きます。ファッションの多様化が進むなか、英国的なクラシックスタイルを支持する人が依然多いのは、これがドレスウェアの正統だからでしょう。こうした英国的クラシックの範となるのが英国王室の方々の着こなしです。麻布テーラーは、1999年のブランド設立以来、「礼儀(マナー)」を重んじるロイヤルファミリーの正統な装いを常にリスペクトしつつ、そこに「時代性(ファッション)」と、人それぞれの「個性(パーソナライズ)」を融合させることを目指してきました。今シーズンのテーマに掲げた「Royal Classic!」は、そんな麻布テーラーの25年の歩みを振り返るものでもあります。昼と夜、フォーマルとインフォーマル、アーバンとカントリーと、場に応じて装い方を変える英国王室の正しくもノーブルなスタイリングにフォーカスしつつ、今の時代に必要なテーラードスタイルとは何かを改めてじっくりと考えてみました。
そして、今シーズンのイラストの舞台は、パリのブローニュの森のはずれにある別荘です。では、なぜここを舞台にしているのか??
今シーズンのトレンド柄でもあり、イラストのスーツにも描いてもらったグレンチェックのスーツ。英国王エドワード7世がグレンチェックの上にブルーの色糸でオーバーチェックを切ったものを好んで愛用したことで、プリンス オブ ウェールズ チェックと呼ばれるようになったことは有名です。そのエドワード7世の孫であるエドワード8世(ウィンザー公)が流行らせたことで知られています。エドワード8世とウォリス シンプソンが暮らしたパリの邸宅であるヴィラウィンザーは、ブローニュの森の近くにあるからです。イラストイメージは、現代に蘇るウィンザー公です! 今シーズンは「Royal Classic!」をテーマにしているので、別注生地も多いシーズンを象徴するスーツ柄のグレンチェックの歴史的背景とリンクさせています。そんな事は誰も気づかない自己満足だと思われるのは承知していますが、麻布テーラーのテーマを決める時は、きちんとストリーを作りたいのです。やっぱり自己満足か(笑)。