上月のきづき#PITTI UOMO107現地速報!序章編

「ピッティは変わってしまったのか?」
昔のピッティは〇〇だったとか、今のピッティはピッティじゃないとか、みんなパリの展示会に移行しているとか、現地に来ている方々から私の耳に入るネガティブな発言。少し、違和感を覚えてしまう自分がいます。そもそも、時代と共に変わるのがファッション。特に完成されたテーラードスタイルは、変化に乏しく、大きく変わることは難しいのは間違いありませんが、ピッティはファッションの祭典。世界中から、集まる「我こそが一番お洒落と言わんばかりと着飾る来場者」「歴史あるフィレンツェの街並み」「素朴でありながらも洗練された美味しい食事」このすべてが揃う展示会は、やはりピッティウオモだけだと感じます。華やかな生活を日々送っているように見られがちな私ですが、日本にいる時は日々実務作業と家庭生活に追われる普通のビジネスパーソンです。しかし、ここに来ると、新たな発想とファションを楽しむポジティブな思考がよみがえるのは、何回経験しても変わりません。



「スーツには変化がないのか?」
今回のピッティウオモを見ても、クラシックなテーラードを主体しているブランドの出店が減少しているのは事実です。しかし、「我こそが一番お洒落と言わんばかりと着飾る来場者」は、それとは反比例してスーツを中心としたテーラードスタイルの多さは変わりありません。スーツは、「ビジネススーツからファションスーツに変わりつつある。」それが、テーラードブランドの色々なサプライヤーから直接聞いた変化のキーワードになります。もう少し分かりやすい表現にすると、いつものスーツをシャツとネクタイから、ニットに変えてしまうコーディネートです。
今回のピッティウオモのテーマは「FIRE」です。このテーマは、ファッションの創造性と変革を象徴するもので、「火」の持つ集合力や再生力、破壊的でありながら創造的な力をイメージしているとのこと。

私の現地からのピッティ速報も変化をしたく、いつものボンジョルノ!からの集合写真はお休みして、ちょっとだけ真面目に総論から語ってみました(笑)。ちなみに、ピッティ初日は必ずスーツにタイドアップをするのに、奇遇にもスーツにタートルニットというスタイル。スーツにタートルニットは、すぐに簡単に実践出来そうなトレンドです。少し前に、ファッションwebメディアのOTOKOMAEさんから取材を受けた関連記事もあるので、ご興味のある方は参考にしていただければ嬉しいです。

明日からは、フィレンツェを後にして、世界三大生地産地の1つであるビエラに移動します。次回は、小さな変化を読み解くトレンド編を、移動の電車の中で頑張って書こうと思います。時差ボケの睡魔に負けなければですが(笑)。