ピッティウオモ94 ♯3

帰国に向けて、ミラノのマルペンサ空港でチェックイン。9日間の出張でも、トランク2つという荷物の多さです。洋服屋の性で、その日の服装をアポイントの内容に合わせるので、軽装といわれる夏でもこの量です。旅慣れているのか、旅なれていないのか分かりません(汗)。
ピッティでは、スーツでドレッシーな装い。
ミラノファションウィークのランウェイショーでは、少し外したドレスカジュアル。
装いのふり幅の大きさが荷物の大きさのようです。しかし、このキャラクターもあり、海外のサプライヤーに麻布テーラーや私自身を覚えていただくことが多く感じます。大抵、お互いの洋服を誉めあうことから始まるのが、この業界ならではです。
さて、ビジネスマンの装いでは、その人の第一印象を決定づけるVゾーンの主役、ネクタイのピッティでの傾向をお話しします。
1900年代初頭のマイクロデザイン、ペイズリー、アーカイブ柄は継続しながら、ブルートーンの広がりやイエローやピンク、オレンジやベージュなど鮮やかな色合いが増えています。また、ジャガードはツイルやレップ(うね織り)、スーパーレップやフレスコなど表面感も重要。プリントもシャンタンやタッサーのような艶を抑えているのも特徴です。
個人的にはイエローのアクセントカラーが新鮮で気になります。プレッピーテイストでクラシックなスタイルに明るさを出してくれそうです。私が入社した1995年はサックスブルーのシャツにイエローのネクタイを合わせるのが流行していました。当時を思い出します。このような流れを捉えながら、インポートブランドのバイイングだけではなく、シルク産地のコモに入ってオリジナルネクタイ生地も多数仕込んで来ました。もちろん、トレンドを抑えながらも日本のビジネスシーンで使用できる麻布テーラーフィルターを通しています。お楽しみに!
日本ではクールビスを推奨されている中ではありますが、このように世界ではネクタイがアクセサリーという観点で再び見直されています。クラシックなスーツやジャケットに合わせるだけではなく、デニムやレザーブルゾンにも合わせるなどデイリーに使用する人気のアクセサリーに浮上してきているのです。
私も私服のリネンのサファリジャケットに、デニムシャンブレ―シャツとシルクタッサーのネクタイでコモへ。リゾート地であるコモとネクタイ商談地であるコモ、その相反するテーマの装いがこれでした。
海外での写真がいつもサングラス姿で申し訳ありません。実は紫外線に弱い目なので、医師からサングラスをするように言われています。イタリアの夏の日差しは危険なんです(汗)。