上月のきづき#究極のドレスウールチノ

上月のきづき#究極のドレスウールチノ

「商品を企画した本人が自ら発信しろ!」約20年前に商品企画に携わるようになってから、当時の上司の教えをずっと実行しています。このブログを長年、続けているのもこれが理由です。スタイリングから始まり、一般的にはマーケティング部や販売促進部の業務になるような、カタログやホームページの撮影立ち合いだけではなく、掲載文章やキャッチコピー、プレスリリースまで自らの言葉で書いています。これに慣れている販促チームには、こんな事までやらされています。ホームページのパンツモデルは、実は私でした(汗)。しかも、ブログのオチ用として、こんな裏ショットもきちんと撮影してくれている、優秀な後輩達です(笑)。

さて、企画した本人が自ら伝える、上月のきづき。今回は、あの!!スラックス専業テーラーの尾作隼人氏監修のもと、老舗スラックス専業メーカーのエミネント社の縫製、麻布テーラーの時代性を取り入れた、究極のドレスウールチノパンがテーマです。

スラックス専業メーカーのエミネント社は、ピッティウオモにも出店している知る人ぞ知る、日本を代表する創業70年の老舗。※写真はピッティウオモのエミネントブース。

エミネント敏腕企画マン後藤さん(勝手に名前出してすみません)から、上月さんが好きそうなパンツの試作が上がったので、見てくれませんか?なんと、企画アドバイザーとして、あの尾作隼人さんが携わっているとのこと。試着した瞬間、あまりの感動で個人オーダーしますと即答(笑)。さらに、上司の相談なしに、これを特別にオーダーできるシステムにして、麻布テーラーでやらせてもらえないかと、直ぐに直談判。これが、スタートでした。

それからが大変(汗)。既製品でも大変な手の込んだパンツをオーダーにするなら、出来ても50本が限界。何とか交渉し続けて100本。さすがに、新企画での限定本数では少なすぎると、社内ではもめにもめる。。。クリエーションチームが何とか団結して、このパンツを発売することになりました。

まずは、素材が超カッコいい!チノパンに見えますが、なんとウールギャバジン!!羊毛を密度高く織ることで、保温性や耐久性、適度なハリ感としなやかさがあり、尾作さんのパターンを活かすドレープ性。ウールの性質により長年使うほどより光沢感が増していくので、上品な育てるウールパンツ、よって私が命名したのが「究極のドレスウールチノ」。

さらに、パターンが超カッコいい!実践経験から得た人間工学的要素を取り込む、スラックス専業テーラーの尾作さん監修だから間違いない!

【正しいウエスト位置】ウエスト位置がずれるとすべてのバランスが崩れて、シルエットも着心地も悪くなってしまう。腰骨上部にのるウエスト位置がベストバランス。

【ヒップおよびワタリのゆとり】昨今は細身シルエットの傾向があり、ヒップとモモ幅が削られてきた傾向であったが、本来はここに適度な分量を設けることで穿き心地と可動域も大きくなる。余り過ぎない適切な分量バランスを構築。

【腰廻りのフィット感】ウエスト形状が先細りとなることで、腰廻りのフィット感が格段に向上する。通常のものとは異なり、フィット感および見た目も整っていく。

【直線のプリーツライン】プリーツからまっすぐに落ちるプリーツラインは全体の見た目をしっかりと整える。

【後ろ身頃の設定位置】前身頃と比較して後ろ身頃を高くしていることで、座る、歩くなどの動きを快適にサポート。また立ち姿勢も綺麗に、品よく整える(脚長に見える)。

元々は完成度がとてつもなく高い既製品。尾作さんの考えられた意味あるパターンを、オーダー補正を加えることで、あまり崩したくなくなりました。よって、2プリーツのみ、ウエストと股下と股下処理だけに限定した理由です。

このように良いパンツを作りたいという熱い想いが高まり、プロ同士の想いがここに集約して出来上がった至高の1本になりました。早くもネイビーは完売しましたが、使いやすいベージュとグレーとカーキがまだ間に合います。お客様優先ですが、私はベージュをオーダーする予定です!

最後に至高といえば、撮影の合間に出るロケ弁。TV業界御用達でカレー好きの芸能人も唸る「オーベルジーヌ」のロケ弁は、特に気分が上がるのです!「感動するカレー」とも呼ばれています。こんな楽しみもあるので、撮影に立ち合っているのかも!?

合わせて読みたい記事

簡単に英国気分を表現する優れモノ。

ツワノモASPESIコート??

麻布流の梅雨スーツ。