上月のきづき#スーツスナップ特別編。本当のプロの着こなしとは?
ピッティ・ウオモ110期間中、歴史あるパラッツォ・ゴンディで開催された「The Art of Tailoring & Craftsmanship – A Global Dialogue」に参加してきました。
このイベントは、世界最高峰のサルトリア(仕立て)文化や職人技の価値を再確認しながら、その未来について議論する国際フォーラムです。AIやデジタル技術が進化する時代に、職人技はどうあるべきか。そんなテーマが語られる場でした。


もちろん内容も興味深いものでしたが、私が思わず目を奪われたのは、そこに集まっていた人たちの着こなしでした。
ピッティといえば、毎シーズンSNSやファッションメディアを賑わせるスナップ写真が有名です。目を引く色柄や大胆な組み合わせ。時には少し仮装のようにも見える着こなしもあり、それもまたファッションの楽しさの一つです。しかし今回のイベント会場に集まっていたのは、テーラー、職人、服地メーカー、そして世界中のウェルドレッサーたち。いわば、仕立て服を知り尽くした本物のプロフェッショナルです。 彼らの装いは驚くほどベーシックでした。



ネイビーやグレー、ブラウンやベージュ。シャツもタイも決して派手ではありません。一見するととても普通です。それでも不思議と目を引く。肩の収まり方。ジャケットの着丈。パンツのシルエット。タイの結び方。色の濃淡や素材の組み合わせ。どれも決して派手ではないのに、その人らしさが自然に表現されています。流行を追いかけるのではなく、自分を理解している。服を主張するのではなく、人が引き立つ。だからこそ格好良いのだと思います。




今回のピッティで改めて感じたのは、本当のエレガンスとは目立つことではないということです。個性を足し算するのではなく、自分に必要なものだけを選び取ること。世界最高峰のテーラリングを語る場に集まった人たちは、そのことを自然に体現していました。
スナップ映えする服も楽しい。でも長く参考にしたいのは、こうした本物のプロたちの着こなしです。ベーシックだけど個性的。派手ではないけれど印象に残る。そんな装いこそ、これからの時代のクラシックなのかもしれません。
麻布テーラーが目指しているのも、まさにそんな服づくりです。
流行を追うだけではなく、お客様一人ひとりの体型やライフスタイル、価値観に合わせて仕立てる一着。長く愛用できるベーシックの中に、その人らしい個性を表現すること。
今回ピッティで出会った本物のプロフェッショナルたちの着こなしは、その大切さを改めて教えてくれました。
ぜひ店頭で、皆さまだけの「ベーシックだけど個性的な一着」を一緒に考えてみませんか。