愛着のある一着のために…Ⅱ

本日もご覧いただきありがとうございます。

愛着のある一着のために、本日はスーツの釦についてご提案させて頂きます。

仕立て屋にいくら生地が用意があろうともビジネスの場で着ることができるスーツというと
色が限られてしまうのが現実です。
そんな中、個性を生かすことができる物の一つが釦です。

『色』
黒・・・既製品だと黒いボタンがついていることが多く黒がまわりにあわせるという観点からも、無難な組み合わせです。
ビジネスで頻繁にご着用いただく、紺・灰・黒のスーツにも相性が良いです。

焦げ茶・・・派手すぎるのは苦手、しかし少しアクセントを入れたい、そんな方におすすめです。
黒以外の色にすることで、柔らかさ・カジュアルさを適度に加えることができます。
茶色の靴を履かれる方にもおすすめです。

明るい茶・・・特に今の季節にお勧めの色で、全体のアクセントになります。
相性の悪い色の生地などもあるかとは思いますので、そこはぜひスタッフに相談してみてください。
スーツの暗い色の中にも、明るい色を入れると全体の印象が明るく見えますので、夏に軽快感を出すのに適しています。
特にジャケット単体として使うことも視野に入れて仕立てる場合には、「ジャケット感」を出すのにも適していると思いますので、
ぜひ試してみてください。

『艶』
艶のあるもの・・・高級感、重厚感を出すのに適しているため、艶のある生地や格式の高い印象のスーツを目指す場合に適しています。

艶のないもの・・・わかりやすい高級感はないものの、夏であればマットな質感が軽快感を、冬であれば素朴さを演出しますので、
いかにも着飾ったスーツは好きではない方や、ラフなスーツを目指す場合に適しています。

『素材』
水牛釦・・・高級感があり、丈夫。スーツの釦の定番の素材です。

ナット釦・・・経年変化により、独特の変化を楽しんでいただける素材です。
どうしてもスーツを頻繁にお使いいただくビジネスマンの方には、経年変化をする前に生地が傷んでしまったりもしますので、
カジュアル用のジャケットなどでぜひお試しください。

貝ボタン・・・清涼感、軽さを出す素材です。欠けやすいのがビジネスにおいては弱点ですが、夏の平織生地に組み合わせると、
爽やかさは全開です。リゾートウェディング用の服装にもお勧めです。

メタル釦・・・重厚感や着こなし次第ではかわいらしさも演出する釦です。
「紺スーツのスラックスが傷んでしまって、ジャケットだけが残ってしまった…」
そんな時にも麻布テーラーでは釦の付け替え修理も承っておりますので、ぜひ釦を変えてブレザーとして再生してみてください。
とんでもなくお買い得の気分です。

ネームを入れて頂くこともできます。

お客様とお話させていただく中で感じる私見ですので、賛否両論があるかとは思いますが、
少しでも参考にしていただければ嬉しいです。

釦一つでも、考え出すとスーツがいろいろな印象に変わります。
スタッフも相談に乗らせていただきますので、ぜひ難しく考えずお気に入りの組み合わせを見つけてください。

スタッフ一同心よりご来店をお待ちしております。