オーダーシャツで拘って欲しいポイント①
いつも麻布テーラー京都店のブログをご覧頂き誠に有難うございます。
今回のブログでは、以前ご紹介のオススメシャツ素材を実際お仕立て頂く際、拘って頂きたいポイントを、ご案内をさせて頂きます。
今回はシャツのパーツの中で、一番印象が変わるデザインのメインとなる、衿型のご紹介。
衿は、①衿越②ポイント(羽根)③台衿のパーツが縫製され出来ています。
その中で衿型の種類によって着用シーンや印象、おススメのジャケットモデルも、ご紹介させて頂きます。
①レギュラーカラー
ビジネスから冠婚葬祭まで幅広くお召し頂ける、オーソドックスな衿型で、真面目で誠実な印象でお召し頂けます。
襟の開きの角度は75~90度程度のもので、衿の開きが狭く、タイドアップでお召し頂く衿型です。ただし、ネクタイの結び方との相性があり、ウィンザーノットや、セミウィンザーノット等、ノット(ネクタイの結び目)が大きくなる巻き方の場合、ノットが綺麗に収まらず、ポイントが浮いてしまいますので、ご注意下さい。コンチネンタルモデルやジェットクルーズモデル等、ゴージラインが低く下がったモデルとの相性が良くオススメです。
②ワイドカラー
襟の開きの角度は100~140度くらいで、レギュラーカラーよりも襟の開きが広い衿型です。ビジネスから冠婚葬祭まで幅広くお召し頂ける、セミワイド・ワイドや、ビジネスカジュアルのシーンで人気の有るホリゾンタルワイド(ほぼ180度に開いた襟型)、ポイントのカッティングがカーブする、ウィンザーワイド・チャールズワイド等、バリエーションも豊富です。
全体的に広めに襟が開いているので、首周りがすっきりして見えます。首周りがすっきりと見えるため、肩幅が広めの人やがっちり体型の人にもオススメです。ノーネクタイでもポイントが下に沈み込んだ印象になりづらく、タイドアップ、ノーネクタイどちらのシーンでもお召し頂きやすく、又、ネクタイの結び方も幅広く対応できる万能型です。クラシコイタリアモデルの様なゴージラインが高いモデルとの相性が良くオススメです。
③ボタンダウン
元々はイギリスのポロ競技から生まれたと言われる衿型。1950年代に大人気となったアメリカのアイビーファッションで良く見られる、クールビズで人気の衿型。
スポーツから発祥したとされている衿型のなので、ドレススーツには衿先のボタンがカジュアルすぎて似合わない、というのが一般的な考えとされています。アメリカではボタンダウンをスーツにコーディネートするアイビースタイルという独自のスーツの文化があり、ボックスシルエットのスーツにボタンダウンシャツ、ネクタイはレジメンタルやニットタイを合わせる着こなしです。しかし、一般的ではない為、基本的には、ジャケパンスタイルや、カジュアルスタイルでの着用がオススメです。ノーネクタイでの着用の際、襟元をボタンで留めることで襟が左右に開かず、綺麗な状態がキープし易い為、クールビズにも人気です。
全てのモデルと相性が良く、衿の大きさによって、ジャケットの衿幅を調整頂くのがオススメです。
④カッタウェイ
180度以上開いた襟がカッタウェイと呼ばれ、起源としては18世紀に英国のウィンザー公が、ウィンザーノットに合わせるために誂えを命じた歴史があるとされています。その後、イタリアのメーカーから発信され、世界的な人気を得て日本でも普及してきた、欧州圏では長く愛用されている衿型です。
ノーネクタイの着こなしが、首元がすっきりと見えオススメですが、タイドアップの際は、レギュラーカラーと反対に、ウィンザーノットや、セミウィンザーノット等、ノット(ネクタイの結び目)が大きくなる巻き方がオススメです。
ノーネクタイの際は、全てのモデルと相性が良いですが、タイドアップされる場合ですと、クラシコイタリアモデルの様なゴージラインが高いモデルとの相性が良くオススメです。
⑤アレンジスタイル
・タブカラー
タブカラーシャツの「タブ」とは紐という意味。襟を固定して、ネクタイを締めた際のシルエットを崩さないための「機能」として考案された衿型です。そのため、ネクタイとセットで着ることが、タブカラーシャツを着こなす上での基本となります。1980年代から後半にかけて人気のあった襟型とされ、昨今のクラシック回帰ブームで再度、注目されている衿型です。タブの上からネクタイを締めると、結び目が裏から持ち上げられて、首回りに立体感が与えられ、スーツやジャケットスタイルに抑揚が付き、程よいアクセントになります。クラシックな衿型ですので、クラシカルな印象のクラシコイタリアモデル、コンチネンタルモデルとの相性が良くオススメです。
・ピンホール
紳士服史上最高の時代だったよされる1930年代には、およそ50%の男性がカラーピンを着用していたと言われる、英国で長い歴史を持つ衿型です。タブカラーと同じく、ネクタイを締めた際のシルエットを崩さない、首回りに立体感が与えられ、スーツやジャケットスタイルに抑揚が付く衿型です。日本ではフォーマル過ぎる、装飾が華美すぎると敬遠される事もある衿型ですが、ビジネスシーンや結婚式やパーティのシーンでもお召し頂ける衿型です。クラシックな衿型ですので、クラシカルな印象のクラシコイタリアモデル、コンチネンタルモデルとの相性が良くオススメです。
・ラウンドカラー
1920年代に流行した、1900年以前から英国貴族が愛用してきたとされる伝統的な衿型。襟先が丸くカットされ、曲線的で柔らかな印象を与えます。英国のイートン校では上流階級を区別するために採用されるクラブカラーとされています。クラシックな衿型ですので、クラシカルな印象のクラシコイタリアモデル、コンチネンタルモデルとの相性が良くオススメです。
・スナップダウン
上記、ボタンダウンのデメリットでもあります、スポーツから発祥したとされている衿型のなので、ドレススーツには衿先のボタンがカジュアルすぎて似合わないとされる、要は畏まったシーンでお召し頂きにくいという点を、スナップボタンで表にボタンが見えない仕様にしたのがスナップダウンです。汎用性が高く、ボタンダウンのメリットの綺麗な状態がキープし易いという点もそのままなので、非常に便利な衿型です。しかしスナップごとプレスしたときに、スナップの形がシャツに残ってしまう事、それによる生地の劣化やがデメリットになります。又、薄い生地でお仕立て頂くと生地が引っ張られ、変な皺が出来たり、堅い芯地も同様の症状が出ますので、お仕立ての際は上記を考慮して頂くのがオススメです。全てのモデルと相性が良くコーディネイトして頂けます。
⑥イタリアンカラー
別名「ワンピース・カラー」とも呼ばれる台襟の無い襟で、元々はセーターのカラーとして南イタリアのリゾート地で流行し、後にシャツの襟に応用されたと言われています。台衿がなく、内側で身頃と襟が生地一枚で作られている為、ノーネクタイでも衿が綺麗に開いたままキープされ、型崩れしづらい衿型です。台襟が無い襟なので、ネクタイは巻まけません。又、衿芯とが身頃途中まで施されることで、綺麗に形がキープできる反面、堅い芯地でお仕立て頂くと、着心地が悪く、薄い生地でお仕立て頂くと中の構造が透けて見えてしまう為、お仕立ての際は上記を考慮して頂くのがオススメです。全てのモデルと相性が良くコーディネイトして頂けます。
⑦バンドカラー
デタッチャブル・カラーの時代を彷彿とさせるノーカラーシャツ。ノーネクタイで着ることを前提に作られたシャツなので、カジュアルな着こなしがオススメです。1枚で着ればすっきりした印象に、ジャケットと合わせればこなれた印象になるなど、着こなしの幅の広さが魅力の一つ。ジャケットをお召しの際は、一番上の釦まで留めて頂くか、スカーフや、ネッカチーフを巻いて頂くと衿が汚れませんのでオススメです。全てのモデルと相性が良くコーディネイトして頂けます。
⑧ウィングカラー
最もフォーマルな襟のスタイルとされ、タキシードや、モーニングに合わせる代表的な衿型。襟の前の折り返しが首から離れ、鳥の翼のように開いている事からウィングカラーと呼ばれています。最近ではデニムなどのカジュアルな素材のものもあり、又、デニムにコーディネイトする等、カジュアルな着こなしも見られます。全てのモデルと相性が良くコーディネイトして頂けます。
如何でしたでしょうか。長々とうんちくを羅列させて頂きましたが、諸説ありますので、歴史的な背景はご参考までに(笑)。又、冒頭に挙げさせていただきました①衿越②ポイント(羽根)③台衿の大きさや、高さの違いによって印象や、ご体型との相性等もございますので、細かな点は、店頭スタッフにご相談くださいませ。オーダーの際の、ご参考にして頂けますと幸いです。
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