ディテールマニア Vol.1『スラントポケット』

いつも難波店のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
新年、あけましておめでとうございます。
旧年中は麻布テーラーをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
本年も、皆様にかっこいいスーツをお届けするべく、スタッフ一同、心を込めてお仕立ていたします。
さて、新年最初のブログはタイトルにもある通り、スーツのディテールについて解説させていただきます。
お付き合いくださいませ。
今回は「スラントポケット」をご紹介いたします。
「スラントポケット」とは、写真のように斜めに付けられた腰ポケットのことです。

「スラント(slant)」は「坂」「傾斜」「斜め」という意味で、別名「ハッキングポケット」とも呼ばれます。
なぜ「ハッキングポケット」と呼ばれるのかは、後ほど解説いたします。
このスラントポケットが斜めになっているのには、ちゃんとした理由があります。
その起源を遡ると、昔の英国紳士の乗馬用ジャケットに見られるデザインであることがわかります。
https://www.gentlemansgazette.com/the-hacking-jacket-guide/
乗馬中の前傾姿勢でも手がポケットに入りやすく、また物が落ちないようにと、ポケットを斜めにしたことが始まりと言われています。
現代では、機能的な意味ではなく、斜めにすることで腰のラインがスッキリとシャープに見えるという視覚的な効果を狙ってデザインとして採用されています。
スリムでシャープなシルエットをお好みの方には、特にオススメのデザインです。
麻布テーラーのスーツでは、水平、斜め、急傾斜の三種類の角度からお選びいただけます。
(どれをお選びいただいても、オプション料金はかかりません。)

ビジネスシーンでも問題なくご着用いただけるデザインなので、ぜひお試しください。
さて、なぜ「ハッキングポケット」と呼ばれるのでしょうか。
実は、「ハッキング(Hacking)」の「ハック」とは、乗馬や乗用馬を指す言葉です。
乗馬用ジャケットを「ハッキングジャケット」と呼び、そのジャケットに付けられた斜めのポケットが「ハッキングポケット」と呼ばれるようになったのです。
このように、スーツには歴史的なデザインの名残が随所に見られます。
今後「ディテールマニア Vol.2」と題して、また別のデザインについても解説したいと思いますので、ぜひ難波店のブログをチェックしてみてください。
最後に、2025年が皆様にとって素晴らしい一年となりますように。
azabu tailor / 麻布テーラー 難波店
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