コラム「シャツの裄丈について」

コラム「シャツの裄丈について」

シャツの正しい裄丈をご存知ですか?よく「ジャケットの袖から2.0cm前後見せる」と言われます。しかし、人によってかなり違いがあるのが現実です。目的をまず知っていただき、ご自身の長さの参考にしていただければと思います。

クールビズでは主役であるシャツですが、本来ジャケットの下に着る「下着」です。ジャケットの衿・袖を皮脂汚れから守る為、常にある程度見えている長さが必要です。衿は意識をしなくても覗かせる事ができますが袖は違います。

まず、腕を動かす時にはある程度の運動量が必要です。腕を下ろしている時と前に出した時では必要な長さが違います。また、シャツには縮みがあります。特に縦方向には最大で3%程度縮む可能性があるといわれています。通常裄丈は80~90cmの間が多いですから、2.4cm~2.7cm程度縮む可能性がある事になります。但し実際には洗い方や生地の特性で個体差があり、ここまで縮まない事もあります。しかし、縮まないシャツはありません。

それを踏まえたうえで、釦を外した時に拳が半分以上隠れる長さが妥当だと思います。よくお客様から「長すぎませんか?」と聞かれる事も多いですが、カフス周りの大きさを正しく設定すれば釦を留めた場合の袖口の位置は一定です。ちなみに麻布テーラーではカフス周りの大きさを1cm単位で設定できます。既製品でも袖の釦位置を縫い直せばカフス周りの大きさを変える事もできます。万が一袖が長すぎる場合は短くお直しできますが、短い袖を長くはできません。

諸外国と比べても日本はシャツの裄丈が短い傾向がありますので、「ちょっと長いかな」ぐらいの感覚で丁度良いかもしれませんね。

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