浦和レッズというクラブのためにビジネスを築いてきました。
今年の1月からフットボール本部長に就任されたそうですが、
まずは戸苅さんとサッカーとの出会いを教えてください。
私は、浦和で生まれて浦和でサッカーと共に育ちました。小学校からサッカーを始め、浦和南高校に進み、故・松本暁司先生にサッカーの基礎から教えていただきました。大学では、井原正巳さんや中山雅史さんと一緒にサッカーを学ぶことができました。そして大学卒業後のステップとして、スポーツビジネス、スポーツをプロ化した形を作っていくということを仕事にしていきたいと志を持ちました。浦和レッズの選手として一年間プレーをさせていただいた後、今の道に進みました。それから27年間、ほぼ事業系の仕事に従事し、浦和レッズのトップチームが活躍できる、クラブのためにビジネスを築いてきました。
なるほど。浦和はサッカーの街とも言われていますから。
まさにサッカー一筋の道を歩まれてきたわけですね。
そして今は、選手からチームを運営する側へ。
具体的にどのような役割を担っていらっしゃるのでしょうか。
フットボール本部全体のマネジメントです。特にトップチームの投資効率は適切か、関連グッズの開発・販売、パートナー企業との連携といった、クラブ全体を経営面から見ていく、という立場になります。そして目指すべきところは、勝利のための仕組みづくりです。勝つために何をすべきなのか、優勝するための仕組みづくりに注力しています。そうして周辺環境を整えながらプロサッカー試合の興行などを行う一方で、サッカーの街、浦和を始めとした地域への貢献と、子どもたちへのサッカー普及にも力を入れています。
多方面に渡ってご活躍ですね。
それにしても、スーツが良くお似合いです。
やはり、普段のお仕事でも
スーツを着る機会は多いのでしょうか?
そのシーズンのスーツが麻布テーラーさんから会社に納品されてくると、誰よりも早く真っ先に試着して、会社中をスーツで歩き回ってしまうくらい。麻布テーラーさんに出会って以来、スーツを着ることが本当に愉しくなりました。そのスーツ姿が社内でもちょっとした話題になっているようで、実は『Mr.Azabu』なんて呼ばれていたりするんですよ(笑)。周囲から見られているという意識があるからこそ、きちんとした服装でいなくては、と思うようになるものです。
やはり、身嗜みや服装については普段から意識されていることがあるのでしょうか?
実は、これは随分前の話になりますが、指導者が集まる会食に参加した時のこと。その会場で、恩師でもあった松本暁司先生がスピーチをされていたことがありました。その中の言葉に、立ち姿や仕草にまで気を配れる指導者になって欲しい、と言ったような話があったんです。当時、その言葉がすごく心に響いて、それがきっかけで、自分でも身嗜みや振る舞い方について、意識するようになりました。それ以来、今も週に3日はランニング、そして週一でサッカーをして、スタイルを維持するように努めています。