どれを選ぶ⁉ 7つのオーダーコート #2
ブログをご覧の皆様こんにちは、麻布テーラー銀座7th店の塩川です。
今回の銀座3店舗共同ブログでは、ビジネススタイルの定番コートとして不動の人気を誇る「バルマカーンコート」にフォーカスしてご紹介したいと思います。
近年、スーツ系アイテムに特化したファッション誌で「バルマカーンコート」という表現が多用されるのでご存知の方も多いかもしれません。形状において、衿腰が後ろで高く、前で低い状態で折り返る一枚の衿が特徴のコートです。ちなみに「ステンカラーコート」という表現も多様されていますがこれは和製英語で、一説にはスタンド・アンド・フォール・カラーがなまって生まれたといいます。他には、フランス語のsoutien(支える)から来ているという説もあるそうです。海外ではステンカラーのコートの括りを詳しく定めていないため「オーバーコート」「レインコート」と呼ぶように他の種類のコートと区別をつけないケースもあります。
バルマカーンとはスコットランドの地名「バルマカーン(Balmacaan)」からそのまま名付けられています。バルマカーンは、インバネスコートの由来ともなった地域のインヴァネスの近郊に位置しているなどもありまして、コートに所縁がある地域で生まれました。ちなみに元々はレインコートの一種として誕生し、トレンチコートから派生したという説もあります。
上の写真のように襟ぐりから袖下にかけて斜めの切り替えが入った袖のことをラグランスリーブといいます。バルマカーンコートは1858年頃から流行りましたが、ラグラン・ケープが派生して誕生したと言われています。このラグラン・ケープとは、クリミア戦争で活躍したラグラン将軍が右手を負傷した際、簡易な着脱を目的に採用したものです。その名残としてラグランスリーブは現在でも存在しており、バルマカーンコートに取り入れられています。
この写真は風雨が強いときに袖口を締めて防ぐため取り付けられました。また腕の動きで袖がまくり上がらないように取り付けられたバックルを装着した袖ベルトです、現在においては装飾となております。
バルマカーンコート ¥67,000+税~
麻布テーラー銀座7th店 塩川