革命的夏用スーツ

みなさま、こんにちは。佐藤です。

S/Sと呼ばれる春夏シーズンが開幕してから幾ばくか経ちました。

佳境ですね。

現段階でのスーツお出来上がり時期が4月末なので、あれよあれよという間に10連休を挟んで夏を迎えに行きます。

元号は如何に。

平成と同い年の筆者はいよいよ実年齢の失念に拍車が掛かりそうです。

小学校の頃、書道の時間でクラスの眼鏡を掛けた字の巧い友人に教壇で「平成」と達筆をふるって掲げてもらい、

腹を抱えて笑い転げていたことをふと思い出します。

(当時は小渕内閣時代で、官房長官の頃の小渕氏が「平成」の額縁を掲げる映像がやたらと流れていたのでしょう。

ゆくゆく存じ上げましたが、あれは小渕官房長官が書いたわけではないのを当時は露知らずでした。)

 

まぁしかし改元に関わらず、時代の流動に備えて我々は勉強と挑戦を続けて、不断に変化しなければいけません。

その微々たる変化の連なりが、長期的に振り返った時、「進化」と呼ばれるのでしょう(か?)。

 

スーツも例外ではありません。というより、衣食住に於いて「衣」ほど鋭敏に時代を反映させる代物はないのでは。

というわけで来る夏に備えての革命的スーツ第一弾を御紹介致します。

 

ZERO GRAVITY SUITS #M92456 ¥90,000+税~

 

…カッコいいでしょう?

「いや、でも夏は暑くてジャケットは手に持ってるだけだし…」

でもカッコよくあれるならカッコよくありたいですよね、男子は誰しも。

亜熱帯とも囁かれがちな昨今の東京の夏に於いてもカッコよくある為に、スーツも日々漸進しております。

 

 

日頃皆様が御覧になられているこのバンチブックの生地。

大体のものにこんなシールが貼られています。

 

gr.200/210の文字が見えましたか?

これは「目付け」と呼ばれる1㎡あたりの生地の重さです。

つまり生地を1m×1mの正方形にしたときの重さが約200~210グラム、ということを示します。

(200/210とアバウト表記なのは生地も動物の毛。人間の髪の毛同様、気温や湿度の影響を受けるからです。

毎日寸分の狂いなく同じ髪型をがっちりキープ!なんて人いないですよね。)

 

では普段の王道スーツと比べてどれだけ軽いのかを概算してみましょう。

よく親しまれる「オールシーズン」と呼ばれる代物。

それは約250~290グラムが相場です(もちろん例外もありますがその辺は端折ります、詳しくは店頭にて)。

丁度今月号のMEN’S EXにも掲載されていたので280グラムのこれを基準に。

 

大体のスーツ上下は、概ね150cmの幅の反物を320cm用いるのが相場です。概算なのでここでは約3mとしましょう。

1m×1mが280gということは、スーツ1着に必要な生地面積が1.5m×3.0m=4.5㎡なので280g×4.5㎡で1260g。

つまりはスーツ上下で1260グラムの重さがありますよ、と(あくまでも表の生地だけで肩パッドやボタン等の副資材はここでは省きます)。

 

そしてゼログラヴィティ。

こちらは200グラムなので、200g×4.5㎡で900g。

オールシーズン1260gからゼログラ900gを引くと=360g。

缶ビール1本相当になりますね。

試しに1日中缶ビールを上着のポケットに入れて仕事してみた所を御想像下さいませ(やらなくて良いです。想像だけ。)。

 

360gの重力を1日中、肩や背中に感じるのとそうでないのとでは、その負担の差は想像するに容易いですよね。

そして360÷1260=0.2857142。

約29%の軽量化です。体重70.0kgの成人男子が49.7kgになった計算です(最早別人でしょう!これを着れば別人になれます。)

 

 

そして尚且つ、内蔵副資材も従来のモノよりマイナス約120グラムを実現し、合計約480グラム減に。

ちなみにサッカーボールが約450グラムだそうです。

 

ライトコンフォート仕様¥3,000+税

 

巷で量産されるアンコンジャケットと一線を画すのは、トップ画の通りこの極薄軽量副資材のお蔭でキチンとしたカッコ良さもキープできるからです。

 

半年前のコートフェアの際は真逆の御案内をしておりました。

「重たい生地の方が丈夫で暖かいですよ」と。

 

半年たった今、改めて真逆の文言を。

「軽い生地の方が涼しくて…(モロいなんて言えない…)」

まぁ、これだけメリットばかり述べるのもどこぞの通販みたいなので、しっかりと裏腹なデメリットも御案内差し上げなければなりませんね。

確かに、300グラムと200グラムの生地のスーツで、同じ条件下で同じ回数着用した後の仕立て映えを比較すれば300グラムのスーツに分があることでしょう。

ただ、その御心配される「シワ」や「ヨレ」といったネガティブな側面にばかり着眼して、軽量スーツから目を背けてしまうのは本当に勿体無いと思うんです。

逆に、年がら年中オールシーズンものに頼り切って、暑い夏にダラダラの汗を吸わせて酷使し、その湿った生地が粉塵を染みつかせ、いつしかヨレヨレでテカテカに…。

そうしてくたびれたスーツがどんなルックスで、もっといえばどんな匂いを放ってしまうか、夏の東京メトロ利用者ならお分かり頂ける筈…。

(あくまでも悪しき例を誇張しただけで、オールシーズンはオールシーズンでカッコ良くて便利なんです!

 

トップ画を御覧の通り、といっては手前味噌ですが、(極薄軽量)芯地が入ってる、尚且つ生地屋さんの技術や努力のお蔭でしっかりしてるんですよ。

まぁ、あくまでも我々はネット通販会社ではございませんので、あとはじっくり店頭でのサンプルを手に取って頂き、しっかりと適切な御着用スパンやケア方法等をネタにみなさまと「お話」したく存じます。

その上で、「やっぱ薄くて軽い生地は不安だなぁ」と判断し、みなさまにとってのベストなオーダーを手伝うのも我々の使命です。決してオススメ商材の押し売り屋さんではありませんから。

「そんなにシワが気になるなら鋼の鎧を着てれば炎天下の東京でもシワになりませんよ。その灼熱の鎧で焼いた汗まみれの目玉焼きをランチにしてれば良いじゃないですか。」

なんて言うほど麻布テーラーは意地悪じゃありません。

シワになりにくい秘密兵器(大人気過ぎてもうみんな知ってるか…)を近日、御紹介差し上げます(たぶん別のスタッフが…)!

この春夏も&B麻布テーラー銀座six店に請うご期待!では。

 

 

 

 

 

 

 

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