オーダースーツの面白さ
「他人から見てどうか」というのはビジネスウェアとして非常に大切ですし、このスーツは十分にそれらに耐えうる貫録溢れた仕上がり。
ではあるんですが、「誰も見てないよそんなとこw」って言われてしまいそうな箇所にも自分なりのストーリーや明確な理由を携えておくだけで「他人の目」という流動的な愛着を超越した、長く付き合える確固たる自信作になるわけです。
SCABAL COSMOPOLITAN #705172
Suits Price ¥110,000(税込)
再評価著しい私の大好物、ワイドピッチなストライプもベースカラーのグレーとのコントラストが抜群に丁度良くてハイセンスそのものです。
よぉーく見てやっと見える、合間合間に配合されたもう少しライトなブルーのラインも全体的な渋みや重さの解消に大貢献してます。
何とも知的なカラーリングバランス。
そしてこの線も含めて見ると実はさしてワイドピッチ(太い幅)でもないんですよね。
よって「ビジネスでも使い易い、けどちょっと面白みのある」麻布テーラーらしいサンプルです。
チェンジポケット無くしてコダワリなし。
往年の英国紳士たちが使いこなした小銭(チップ)入れだの乗馬時のチケットやハンティング時の薬莢入れだの#〇$△%□&×=+@÷*
っていう薀蓄を「誰にも語ることなく」こっそり付けておくのが知性的な装いかな、と。
ボタンの色や並び方にも個性やお国柄、各ブランドコンセプトが出ます。
黒っぽい水牛ボタン(¥3,300)を4つくっつき式は如何にも、な古典派。はろう、はわゆぅ。
逆に茶色っぽいボタンを重ね式にすると“Buon giorno!”な雰囲気に。
そんなサンプルはまた後日追々。
フルステッチ(¥3,300)と本切羽(¥3,300)で高級感に拍車も掛けたいところです。
逞しい肩口からグッとシェイプの効いたウエストラインはオーダースーツの目的ランキング永遠の一位では。
そんなメリハリのあるサイジングであればやはりサイドベンツにして蹴回し(裾周り)への反動も分散させて解消しましょう。
なぜならウエストを絞ったサイズでセンターベントだとスリットが割れてヒップが覗きやすくなってしまうんですね。
ちなみにコチラがセンターベント
「着心地」もオーダーに欠かせない目的要素。
なめらかな着心地で摩擦による着用負荷、疲労感を軽減。
高い吸湿性で衣服内で発生する熱気を放散。
静電気の防止で表生地へのホコリや花粉を回避。
それがキュプラ素材裏地の実力(¥2,750~)。
幸か不幸かの手違いで、入社以来今年初めてポリエステル素材の裏地を用いたスーツを着用したワタクシ。
別に今までその良さ存じ上げてなかったわけでは決してないんですけど、ほぼ思考停止状態で着用品は全て裏地をキュプラにしてきたので、着用効果を比較したことが無かったんですね。
…いやぁ!恥ずかしながら身を持って余計、キュプラのありがたみと実力を思い知りましたね。
特にポリエステル裏地のスーツを着て室内に居る時の、背中が「カッカッ(汗)」してくる感じが「あぁ、こういうことか…」と勉強になりました(今更…)。
更に言えば、生地の大敵は汗や湿気などの水分とホコリなんですね。
濡れた新聞紙やティッシュが破れやすかったり、ホコリのかぶったリモコンのボタンが硬化してしまうのはイメージ湧くでしょうか。
またそれらを栄養として虫食いの原因にもなり得ます(特にカシミアは勿論なんですけどウールでもイタリア製の高級生地なんかはヤツらにとって美味いんだか何だか知りませんが、その被害報告も多いんですよ…)。
私も2着やられました…その食い逃げ犯見つけ次第耳たぶつかんで引きずり回して説教してやる。
スーツも一緒なんですね。
濡れたり硬くなると毛玉を誘発してやぶれの原因となります。
望ましいケアは着終えたその日にブラッシングして通気性の良い所でハンギング、着用頻度は「多くて」週1~2度目安。
「いやメンドクサイ」って即答する方こそキュプラにすべし。
「そうなんですね、わかりました。」って方も、キュプラにしておけば愛着の湧くお気に入りのスーツと長く付き合えるようになります。
そしてオーダーメイドに求められる「高級感」や「単純明快な圧倒的カッコよさ」を握るモテ要素抜群な永遠のエース格『ベスト』!
それに関するまとめは次回に!
ではまた!