結局仕立ててしまう【DORMEUIL社】

2024.08.29

By.銀座six店

銀座six店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

スタッフの宮林と申します。

レディーススーツをご紹介する予定でしたが、丁寧にご紹介したいので少々お待ち下さいませ

レディースに、ご興味のある場合、お気軽に店舗へ御連絡、また是非ご来店をお願い致します！

下見も大歓迎ですし、よくご来店いただいております♪

という事で本日は、新作生地をご紹介します。

私も、自分のスーツで選ぶ機会の多い生地の一つ【DORMEUIL社】の生地をご紹介させて下さい。

ちなみに、仕立てたばかりですが、また欲しくなってしまっています。。。。

という事で、この気持ちをブログにぶつけます

【AMADEUS】

まずは、ドーメル社のアイコン商品アマデウスです。機能性と美しさが兼ね揃えたこちらのシリーズはクオリティは間違いありません。シワの回復力、耐久性、そして美しい光沢。バランスの良い商品です。そして今回のオススメポイントは色柄です。フランスの会社であるドーメルは独創的な色柄も目立ちますが、今回のアマデウスはベーシックなものが豊富です。ただドーメル社らしい三次元的色彩は一味違う魅力的なスーツにお仕上がりします。

AMADEUS SUIT　￥143,000(税込)～

【AMADEUS365】

アマデウスのシリーズで、オールシーズン生地としてご提案させていただくのがアマデウス365です。こちらは、ドーメル社らしい色柄が豊富に揃っています。少し他と違った1着ですと、こちらのシリーズは特にオススメです。ブックの後半にはベーシックな色もありますので、シンプル目をご希望のお客様にもオススメです。

AMADEUS365　SUIT ￥121,000(税込)～　　

また、こちらのシリーズは麻布テーラーが生地を大量に仕入れてお値段を抑えられたものもございます。【MINUET】のシリーズは麻布テーラーで生地をご用意しているブックです。コストパフォーマンスも良くなりますし、限定生地なども揃っています。

AMADEUS365麻布テーラーセレクト　SUIT ￥99,000(税込)～

【BRITISH VINTAGE】

ブリティッシュ・ヴィンテージのコレクションは、冬に向けた特別なユニークな生地を、イギリスにあるドーメルの伝統的な工場でのみ製造したコレクションです。コレクションの中には『PURE BABY ALPACA』と『SPORTEX VINTAGE』2つのシリーズが入っています。

『PURE BABY ALPACA』

注目のベイビーアルパカのジャケット生地、お値段が張りますので強くお勧めは出来ない生地ですが、ご来店の際は是非ご覧頂きたい商品です。色が魅力的で、どの色柄でも間違いないと思います。アルパカの特徴は『軽くて暖かい』『丈夫で肌触りがなめらか』などが挙げられます。アルパカの毛は中が空洞になっているので、空気を良く含んでくれるので保温性に優れています。そして、スーツなどで主に使用する羊毛(ウール)に比べて『スケール』(人の毛でいうとキューティクル)が大きくて少ないです。スケールというのは毛の表面のうろこ状の表皮です。これが少ないので肌触りが滑らかになり、毛玉になりにくい特性があります。また繊維が毛よりも太いのでしっかり丈夫な生地です。

ベイビーアルパカというのは、赤ちゃんアルパカから採取した繊維と言われますが大人のアルパカからも、僅かに採取する事が出来ます。繊維の太さが20.1～23.0ミクロンのものを差します。ウールでよく見るスーパー表記ですとスーパー70’ｓより太い感じです。お詳しい方は感じられたかもしれませんが、高級ウールの繊維よりも太めの繊維です。数字が大きくなると細い意味になるスーパー表記ですが、一般にスーパー100’ｓ以上細くならないと表記しない事が多いです。それぐらい、しっかりした太さで丈夫な繊維ですが、なめらかで気持ちのよい肌触りがあり、大変オススメの商品です。書いてて欲しくなってきました。。。

PURE BABY ALPACA 　JACKET ￥214,500～　

『SPORTEX VINTAGE』

私自身、今期仕立てたのがスポーテックスヴィンテージです。なんと誕生したのは1922年。100年前です。100年前のアウトドアやスポーツ、レジャー用として発表されたシリーズです。当時はもっと厚みがありましたが、こちらのシリーズは現代風にアレンジされて使いやすくなっております。1920～30年代の広告は素晴らしいイラストですので、ご興味のある方は是非検索してみて下さい。1907年全英オープンで優勝したフランスのプロゴルファー、アルノー・マッシー氏が着用し、チャンピオン・ファブリックしとして打ち出しました。当時スポーツ選手は市場の脚光を浴びていた事もありスポーテックスは一時代を築いていきます。広告が100年後も魅力的だったなんて語られるのもファッションって感じがして魅力的だと個人的に思います。他にもドーメル社にはトニックなど名作がありますので、またの機会にご紹介させて下さい。

SPORTEX VINTAGE　SUIT ￥ 198,000～

SPORTEX VINTAGE　JACKET ￥128,700～

【ROYAL12 DOBCROSS】

大注目の生地がこちらです。通なお客様にオススメと言いますか、一見すると魅力が伝わりにくい商品かもしれません。ドブクロス織機を使用して織られたROYAL12 DOBCROSSをご紹介します。ドブクロス織機とはいわゆるシャトル織機です。生地を織り上げる時は、まずタテ方向に糸を並べて、隣り合うタテ糸が、それぞれ上と下に動き、その間を緯糸が通ります。通った後詰める作業が、鶴の恩返しでイメージ出来ますでしょうか、タンタンって押し込んでる作業です。横糸が通ったら、タテ糸がそれぞれ上と下に動き、また横糸を通す。これの繰り返しで生地は仕上がります。現代の織機は、この横糸を通す作業をジェット噴射で飛ばしたり、横糸を通す方向を一方方向にしたり、タテ糸の上下の動きを工夫したり、色々な方法で生産性を高めています。量産には適しますのでお値段を抑えられるのは大変魅力的な事です。ドブクロス織機は生産性は劣ります。通常の織機より6倍の時間がかかるとの事です。しかし、低速で織られた生地は独特の膨らみと目の詰まりがあり、耐久性やシワの回復力はもちろんですが、風合いがカッコイイです！なんかいいです！

現在この織機は正解に数台しか動くものはありません。ちなみに7台は動くそうです。。。しかも、動かせる職人さんがいないというのも課題の一つでした。ドーメル社の工場の社長は、Six店のブログでも、なんどかご紹介させていただいている伝統的な英国ミルのご出身で、彼だからこそ職人が集まり生産出来た至極の商品です。一見すると、なんて事はない生地に見えますが、「こういう生地を探してた」というお客様は必ずいらっしゃるはずですし、低速で丁寧にドブクロス織機で織られた商品は触れていただくと「なんか違う」と感じていただけると思います。

長くなってしまいましたが、こちらの【ROYAL12 DOBCROSS】は、麻布テーラーのみ取り扱いの商品でございます。3色展開で、もちろん生産可能な着数はかなり限られます。是非是非生地だけでもご覧にご来店下さいませ。