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Blazer(ブレザー)を考える。

上月 剛

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私のファション業界でのキャリアは19年ほどですが、現在の仕事の前に英国王室御用達のサヴィルロウの某テーラーブランドを5年ほど担当していました。そのブランドで紳士服の服飾の歴史やルールを嫌というほど学びました。その後、麻布テーラーを担当することになり、毎シーズンのイタリア出張などで、モダンクラシックなイタリアスタイルにはまりました。学生の頃は、渋カジ世代ということもあり、ラルフローレンやブルックスブラザーズなど、アメリカンカジュアルにドップリつかっていたことも考えると、私のファション感は「イギリスとイタリアとアメリカ」によって形成されているといっても過言ではありません。

いや、もうひとつありました。私の師匠である社長の影響もかなりあります。アメリカ生活が長く、様々なライフスタイルを経験しているので、ファションはライフスタイルであるということを学びました。いや、そのように洗脳されました(苦笑)。

そんな、私が昔から好きなアイテムがあります。それは、「イギリスとイタリアとアメリカ」人も大好きな「Blazer(ブレザー)」です。

サヴィルロウの某テーラーブランドで学んだブレザーの語源は2つありました。1つ目は、イギリス海軍の軍艦ブレザー号がネイビーブルーのダブルの金属ボタンが付いたジャケットを揃え、全乗組員が着用。これがダブルブレザーの語源とされる説です。1837年に即位したばかりのヴィクトリア女王が軍艦ブレザー号を訪艦することになった際に、それまでのだらしない格好の水兵たちに、英国海軍の金属ボタンをあしらったネイビーブルーのダブルブレストジャケットを着用させたところ、女王がその風格をとても気に入り、海軍全体で公式に採用するよう定めた。そのスタイルがサヴィルロウで人気が出て現在に至ったとのこと。

2つ目の説は、1829年にケンブリッジ大学とオックスフォード大学の初めての対抗のレガッタによるボートレースが開催された際に、ケンブリッジ大学のボート部の漕ぎ手が、カレッジカラーである燃えるような(Blazer)真紅のジャケットをユニフォームとして着用。これが、シングルタイプの語源とされる説です。

どちらにしても、ブレザーのルーツはイギリスにあるようです。日本人からすると、ネイビーブレザーはIVYファッションの象徴みたいなところがあるのでアメリカがルーツのように感じてしまいます。しかし、IVYリーグと呼ばれるハーバードやイェールといった学校は、英国のフランチャイズだと思うので、彼らのプレステージ感が1950年代半ばくらいから徐々にファッションとして広がっていったのだと思います。また、ブルックスブラザーズなどは、もともとアメリカに来た英国移民の暮らしをサポートする上流階級のためのお店だったこともあるかも知れません。

そんなブレザーは、上流階級の出身もしくはカジュアルスタイルの代名詞という意味で、映画でもアイコンとして使われることも多いです。「昼下がりの情事(1957)」では富豪のカジュアルスタイルとして、「ボーイハント(1960)」ではIVYリーガーとしての主人公、「ティファニーで朝食を(1961)」では、自称作家のホリーが5番街をブレザーで歩いています。

また、ブレザーの面白さはコーディネートパンツの多様さにもあると思います。グレーのウールパンツ、チノ・パンツ、ジーンズ、ショーツ、カーゴパンツと多彩です。

現在では、テーラードデザインのスポーツ・ジャケットをブレザーと呼びますが、このようなルーツがある万能ジャケットであります。そして、麻布テーラーでは今シーズンはこんなブレザーをお奨めしています。

今季注目のブラックウォッチやブークレ、ツィード生地にメタルボタンを付けた新たなブレザー、定番のネイビーブレザーをアップデイトした麻布流ブレザーです。特にメタルボタン使いは、ジャケットだけではなくコートやニットまで拡がりを見せているトレンドキーワードでもあります。

麻布テーラーなら生地はジャケット地を含め約200種類、ボタンは約130種類、裏地は約90種類と多種、しかもオーダーブレザーを¥23,000+税からお仕立いただけます。期間限定のメタルボタンもご用意しておりますので、この機会に自分だけのブレザーをオーダーしてみるのはいかがでしょうか?といことで、現在好評開催中の麻布テーラーブレザーコレションの告知でした(笑)。

ちなみに、私はブレザースタイルの基本色であるネイビーブルーとグレーのコンビネーションが大好きです。最近のマイブームは、ブレザーをスニーカーで外すスタイル。そんな理由もあって、ニューバランスのスニーカーだけでもこんな感じでネイビーブルーとグレーのコンビネーションのデザインばかりです。これでもほんの一部、こんなことが妻に怒られる根源であります(汗)。

昨日までいたバンコクでもコレでした。トゥクトゥクには似合いません(笑)。

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