今、絶対推しの生地教えます!#2

東京に引き続き、昨日は関西と九州エリアの麻布テーラースタッフ全員を集めた総合研修会がありました。年に2回、新シーズンがスタートする時期に行われます。我々が今シーズンのトレンドや新商品の説明をするのがメインになります。

麻布テーラーはテーラーとういう名前が付いていますが、テーラー特有の敷居の高さや古さというものがないと言われます。大きな要因は、既製品も展開していること、そしてテーラーをメインにしていながら、シーズン毎にMDがあることだと思います。MDとは我々の業界でいう商品政策のことです。ファッショントレンドを前提にしたお客様の欲求に適う商品とスタイリング計画が存在します。もちろん、オーダーをメインにているので、既製品だけでは限界のある千差万別のお客様のライフスタイルにあったご提案をすることも出来きる不思議なお店です。ですから、このような勉強会も数多くしています。

私も商品部の責任者として、資料の作成からプレゼンテーションまで自ら行います。いつも、国内外を飛び回って美味しいモノを食べ歩いているだけではありません(笑)。

そして、勉強会といえば、私のHQブログです。直接、お客様とお話しすることができないので、麻布テーラーの商品を計画している自分自身の生の声を発信するために書いているのですが、裏目的として店舗スタッフへの商品勉強ブログとしての意味も少しだけあります。(笑)が少ない回は後者を意識しています。

さて、本題です。以降は(笑)はありません。麻布テーラーのディレクターとして今シーズンに皆様におすすめしたい生地を数回にわたってご紹介する「今、絶対推しの生地教えます!#2」です。

「ロロピアーナ ジランダー&フォーシーズンズ」

ブランド説明は不要だとは思いますが、最高級カシミアと最高級ウールを取り扱う服地メーカーでありプレタブランドです。毎年オーストラリアで取れる羊毛の中でもSuper100’s以上のトップレンジ原毛の4割を買い付ける、イタリア高級生地の代名詞的な存在です。

そのロロピアーナからは、実用性と機能性を兼ね備えた高性能服地であるジランダーがおすすめです。ロロピナーナ特有の美しい光沢と発色を実現しているだけではなく、風合いの柔らかさを保ちながら、軽さと高い通気性に加え弾力感がありシワの復元力に優れているからです。高級感とこのような機能が共存している夏用素材はあまり多くありません。

これは、繊維が長く耐久性に優れたニュージーランド産メリノウールのなかでもひときわ白く美しい原毛を厳選し使用して、ロロピアーナ独自の紡績と製織技術だからできるそうです。

ちなみに、今シーズンに私が仕立てたスーツはこのロロピアーナ ジランダーです。シーズンカタログもMEN’S EXでの取材に着用していたスーツがそれです。

とうことで、ジランダーの中でもこの服地が私の一番のおすすめです。ベースのブルーカラーに馴染んだシャドーがかったパターンは、今年のトレンド。前回のホーランド&シェリーの回でも書きましたが、無地感覚でコーディネートできるので、シャツとネクタイはこれまたトレンドの英国調にチャレンジできます。

えっ?紙面ではフォーシーズンズって書いてある?!もちろん、お客様の用途によってはフォーシーズンズほど適した服地はありません。四季を問わず着用できるというネーミングどおり、使い勝手の良い万能素材です。

私が考えるに、ビジネスシーンでスーツをあまり着られない方、またフォーマルスーツとしての兼用を考えている方におすすめです。クールビズの出現により、シーズンを問わずに着るスーツをお考えの方も非常に増えています。素材特性の機能もありますが、このように使い勝手の良い万能素材という考えもひとつの機能ではないでしょうか。

最後に、麻布テーラーではジランダーとフォーシーズンズはこのコンチェルトというバンチに編集されています。共に¥99,000+税からシングルスーツをオーダーできます。ロロピアーナの素材を見ていると装う楽しさを感じる不思議な魅力があります。

合わせて読みたい記事

WHITE展示会

PITTI UOMO 92♯3

あのイタリア2大巨頭が麻布のためだけに。