実益を突き詰めて生まれた最強のスーツ!?

実益を突き詰めて生まれた最強のスーツ!?

今週は、間近に迫った2018-2019年秋冬のプレス展示会に向けてのプレスリリースブックの撮影をしていました。数日間、スタジオにこもって行うのですが、私もディレクターとして商品やコーディネートチェック等をするために必ず同席します。この撮影が半年かけて準備した主要コレクションとの初対面になるので、ある意味は楽しみでもあり、ある意味は最初の採点の場にもなるので緊張感もあります。

そして、この撮影に同席する理由は、この現場で商品を確認しながら、プレスリリースの商品説明文を1人でまとめ書き上げます。もちろん、私1人で全て商品企画をしている訳ではないので、同じくHQの仲間が用意した商品コメントを参考にします。一般的にはPR販促チームの業務になるブランドが多いと聞きますが、先輩方から引き継いだ会社の伝統です。「商品企画は物だけではない。字で企画しろ。」というのが社長からの教えで、お客様に商品の良さをきっちり文字や言葉でお伝えできて初めて商品になるという考えです。口でいうのは簡単ですが、これが本当に大変(汗)。慣れている私でも1冊書き上げるのは約1週間かかります。いつもお付き合いしている雑誌の編集者の皆さんの凄さを実感します。

さて、私はこのように来秋冬の準備で熱くなっていますが、店頭ではこれから迎える暑い夏に向けて、サマースーツコレクションを展開中です。サマーファブリックの充実は勿論のこと、以前のブログでお知らせした新企画の最軽量スーツや、実益を突き詰めて生まれたAZABU HYBRID・SUIT(麻布ハイブリットスーツ)など、麻布テーラーは仕立てや着こなしを含めたサマースーツをご提案しているのが特徴です。コンセプトは、伝統的な正統デザインと天然素材を軸としながら、現代のスピード時代のビジネスマンに向けた革新的な機能性や汎用性を融合していることです。

 

例えば、麻布ハイブリットスーツって?そんなスーツあるの?的な提案もあります。それは、まったく同じ糸を使いながら上下で異なる織り方で構成された、一見スーツにしか見えないジャケットとスラックスのことです。ジャケットに必要な機能である軽さや通気性、スラックスに必要な機能である耐久性や某シワ性。ジャケット、スラックス使いとしてのそれぞれの実益を叶えながら、スーツとしても使用が出来ます。本来のドレスウェアの視点からでは、アゲインストの風が吹いているといえるクールビズの流れ。機能的でありながらノータイならノータイ、ノージャケットならノージャケットのエレガントさはあるべきだと捉えたものが麻布ハイブリットスーツです。限られた数の服しか持っていけない出張や旅行にも役立ちます。

上下の統一感の精度を上げるために、原毛から整理までほぼ一環生産が出来る尾州の老舗大手毛織物メーカーにより、それぞれの組織の生地を織りあげた後に、染色を行なうことでより近い色感を表現しました。

ジャケットはホップサック…軽くて通気性に富み、目が粗いざっくりとした素材。

スラックスはツイル…丈夫で防シワ性に富み、光沢感のある素材。

とても斬新な企画ですが、これは私のアイディアではなく社長のアイディアなのです。正直言うと、最初は私も本当に格好いいのかなぁと半信半疑で準備を進めていたのですが、発売後にピッティウォモでイタリアの某人気ブランドが同糸同色の上下柄違いスーツを提案していたのを見て、これって凄く新しいのでは?と確信に変わりました。洋服屋なんてそんなものです(笑)。

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