ロンドンから独りごと。
ロンドンから帰国に向かう機内でこのブログを書いています。ロンドンでの様子を含めて、今回の出張を振り返ろうと思います。
ロンドンでの定宿の部屋に入ると1枚の額が目に止まりました。Oscar Wilde(オスカー・ワイルド)の名言をアートとして飾っているものでした。
「CONSISTENCY is the last refuge of the unimaginative.」「一貫性というのは、想像力を欠いた人間の最後のよりどころである。」
今回の出張は公私共に様々な想いを持った特別な旅でした。今までも沢山の壁にぶちあたりながらも、想像力を形にする事を自分の武器として頑張ってきました。しかし、ここ数年悩んでいたのですよねぇ。。。一貫性を盾にして安定に逃げていた自分がいたのです。
こんな事を書くと、麻布テーラーの商品までネガティブにとらえてもらうと困るのですが、公ではなくあくまで私の方です。私が麻布テーラーの商品を全て作っている訳ではありませんから、商品とは関係ありません。
実は今回の私の出張のテーマは「想像力」だったのです。ピッティも素晴らしいのですが、ここ最近はピッティを見ても想像力があまり沸かなかった。ピッティウオモという一貫性は感じるのですが、我々はリテーラーでありながらメーカーの顔も持っているので、自分達で作った方がイイという気持ちになりやすいこともその要因です。
でも、ここロンドンは変えない精神と変える精神のバランスが取れているので、創造力が沸いて来るのです。
変えないサヴィウ・ロウやジャーミンストリート。
変わるショーディツチ。
老舗だからといって時代に適合していかなければ老舗にはなりません。あのダーンブル&アッサーがデニムシャンブレーでイブニングシャツ、リネンのボールドストライプでオープンカラーシャツ。トレンドに真っ向チャレンジです。
表敬訪問したスキャバルも、一貫性をもちながらも想像力を駆使した進化をとげていました。服地の開発力を活かした既製品開発に力を入れています。
老舗でもコーディングスは一貫性だけで真っ向勝負しています。
しかし、一貫性の分からない世代は、想像力を欠きたてられるのも事実。若手はネクタイを購入していました。
これからは、彼らの創造力の時代です。若干1名ご年配の方もいますが(苦笑)。
「CONSISTENCY is the last refuge of the unimaginative.」「一貫性というのは、想像力を欠いた人間の最後のよりどころである。」今回の旅はとても良い勉強になりました。始めから終わりまで方針がぶれずに進めていくという一貫性は持ちながら、次のステージに向けて、想像力を大切にして新たなチャレンジをしようと思います。皆様、ご期待ください(笑)。