CREATION

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ジャージーなんて言わせない?

上月 剛

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「この剣道着、明日の朝までに洗っておいて!」息子が帰宅した時間は22時。剣道経験のある私は無理だと言い放った。あの分厚くて重い剣道着が、臭くてもなかなか洗えないのは、藍色が落ちてしまうだけではなく、すぐ乾かないから。息子がまだ小学生だったので、5~6年ぐらい前だったと記憶しているが、その剣道着がジャージーだったことに驚いた。軽くて、すぐ乾くジャージー剣道着は現代の中高生部員の必需品になっているのが常識とのこと。私が思春期の頃に、臭いと言われ続けてきた剣道部が、いまや毎日洗濯もして、いい匂いがする剣道部に変わっているとは(笑)。

礼節を重んじる剣道でさえ、道着の形は変わらずとも時代に合わせて機能的に進化しています。本日のテーマは、ジャージーです。

 

ジャージーといえば、トレーニングウエアや体操着など、運動関連の衣服の呼び名ですよね。洋服屋っぽく、うんちく的に説明すると、ジャージーの語源はイギリスのジャージー島の漁師が着用していた綿を編み込んだ素材。タテ糸とヨコ糸の2本の糸を緊密に交差させる「織物」とは異なり、ジャージーはセーターのように1本の糸を編んで布地にした「編み物」。伸縮性に富んでいるので、イギリスではラグビーの競技服にジャージー素材を使い広まったと聞きます。

 

そのジャージーの機能性に着目して、従来のジャージーの着用のシーンと全く対極にあった仕事シーンを結んだのが、麻布テーラーの「ドレスジャージー」になります。言い換えれば、「会社に来て行けるジャージー」「相手に不快感をあたえないジャージー」「オンでもオフでもリモートでも着ることができるジャージー」です。

 

今や一般化したジャージースーツですが、麻布テーラーではそのオーダーを2016年からスタートしました。時期が被りますが息子のジャージー剣道着から着想した訳ではありません(笑)。この企画をスタートしたのが私なので記憶をたどると。。。ピッティウオモであるジャージーで有名なジャケットをバイイングしていたのですが、デザインは良いのに価格が高く、せっかくのジャージーなのでフィット感があまく、あまり満足出来なかった。なら、麻布テーラーで作っちゃえばいいじゃん。ビジネスウエアもきっとジャージーに変わってくるかも知れないし。と考えて準備をしました。

 

しかし、発売に至るまでは大変でした。衿やポケット、袖などの小さい生地に裁断した上で縫い上げるスーツは、生地にハリやコシが必要で、普通のジャージーではスーツを縫製できない。その後、スーツで縫製できる伸縮性、耐久性の向上に加えてハリコシのあるジャージー素材をミラノウニカに探しに行きました。さらに、素材が見つかっても、伸縮性によりサイズ安定が難しい。このような紆余曲折をえて、完成した麻布テーラーオリジナルのドレスジャージーです。

ポイント1 伸縮素材ならではの超ジャストフィットに補正できる。

動く為の必要最低限のゆとりがオーダーでは必要ですが、ジャージー素材であれば伸縮性に富んでいるので、ジャストフィットのサイズでオーダーしても着心地を保つことができます。

ポイント2 ジャージー用の型紙で新次元の美シェイプに。

ジャージーの伸縮性を最大限に生かすために、従来の麻布テーラーのハウスモデルよりもアームホールを上げて袖幅を広げることで腕の動きやすさを重視。そして、モダンに見えるようにウエストのシェイプを強めに設定しましたが、釦位置を少し低めにしたので、エレガントさはキープしています。

ポイント3 特別芯地の採用で、他にないきちんと感に。

一般的にはジャージージャケットでは芯地を使用しません。しかし、会社に着ていけるジャージージャケットをテーマに開発したので、軽量半毛芯を用いながら胸のボリュームを形成しました。また、寸法の安定性のために、タテ伸び防止用として接着テープにて補強もしています。これら、見えないところが他にないきちんと感につながるのです。

 

そんな思い出も、今ではシーズンを追うごとに進化して、上下別使いを意識したセットアップ対応素材も充実。さらにオンでもオフでもドレス感を高めるベストや、軽く快適でありながら着こなしの格を上げるダブルブレステッドモデルも新たに加わりました。プレスの篠塚くんがモデル着用しているスリーピーススーツは、ドレッシーなフランネルのスーツにしか見えませんよね。ホントにジャージーなんて言ってほしくない完成度です!

ジャージーの進化と比例して、篠塚くんの体型もヨコに進化しているのか!?写真がヨコ伸びしているのか!?そこも気にしながら、HP もご覧ください(笑)。

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