思い出がいっぱい。悲しみにさようなら。

思い出がいっぱい。悲しみにさようなら。

昨日、妻と自宅近くのインド料理店でカレーランチ。幼少の頃から母が作る甘口バーモンドカレーが基準になっているので、インドカレーは私にとっては立派なインド料理です(笑)。小麦粉でとろみのある日本のカレーは、イギリスから伝わったと聞いたことがあります。インドがイギリスの植民地時代であった頃、イギリス人の多くがインドに移り住み、カレーの原料と米を母国に持ち帰りできたのが、小麦粉でとろみを加えたカレー。日本にそのカレー粉がイギリス人によって持ち込まれ、今にいたると。カレーが洋食屋さんに並んでいる理由は、西洋料理だからだそうです。

ロンドン出張に行くとカレーばかり食べていたのは、日本のカレーと味が近い日本食感覚だったこともありますが、歴史的な背景からも間違いでもなかったようです。

 

さて、カレーといえば、いやイギリスといえば、やはりスーツ。今回のテーマは、私が過去にイギリスで企画して日本に輸入して麻布テーラーのオーダースーツとなったイギリス生地の話しです。カレーのようにイギリスから入ってきたので強引につなげました(苦笑)。

 

その生地は、ムーン(MOON)の名で親しまれるアブラハム・ムーン・アンド・サンズ(Abraham Moon & Sons)のフランネルのチョークストライプ。イギリスのヨークシャー州リーズまで、極寒の中に何度か訪れて企画した思い出の生地になります。

初めは麻布テーラーのマフラーを仕込みに行ったのですが、染色・混合・紡毛・工職の作業を一貫している工場を見学して、重厚なフランネル素材を手にしたときに、イタリアのそれとは違う感動を覚えました。マフラーより先ずここのフランネルスーツが着たい!

当時は太目のチョークストレイプはクラシックすぎる柄だったのですが、ようやく時代が追い付いて??トレンドに浮上してきたこともあり、昔に仕立てたこの生地のスーツを良く着ています。イタリアの300gをきったライトフランネルとは違い、330gのしっかりと目付がありながら、カシミヤも5%含ませているので、見た目に反して使いやすいスーツ生地です。

 

少しマニアックな古い映画の話しになりますが、フレッド・アステアがパリの恋人で着ていた、ダブルのフランネルスーツに憧れて、初めてのオーダースーツなのにフランネルを作ったほど、私はフランネル好き。ゲーリー・クーパーもそうですが、往年の映画俳優は、映画の中で何をするにもスーツを着ていて、ビジネススーツっぽくなくスポーティでエレガント。

 

私はフォーマルシーンでベストを入れて、ビジネスシーンでモノトーンコーデ、ちょっとした会食はグレーのジョンスメタートルなど合わせます。

これだけ使えて、麻布テーラーでオーダースーツをすると¥55,000!あまり、告知をしていないので知られていませんが、アーカイブコレクションは、独自企画で直接仕入れのためコスパも魅力なのです。私のスーツも現在でも麻布テーラー全店でオーダー出来ます。

 

最後に、イギリスといえばショッキングな出来事がありました。。。私が海外出張で使用していたイタリアのアリタリア航空が経営破綻。バチカン元首のローマ教皇が外遊する際に利用することでも知られていましたが、イタリア人でもビジネスでは絶対に乗らないと、イタリア人のサプライヤーが言っていたほど、サービスは?でも価格◎。しかし、我々のような洋服屋にとっては思い出の航空会社なのです。10月15日、私の20万マイルが0マイルになっていたのを携帯で見た時には、残念というよりアリタリアでマイレージをためていた自分が悪いと反省しました。そんな航空会社なんで(笑)。

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