オーダー屋の裏話(Vol.1)

2015.06.01

By.池袋店

麻布テーラー池袋店で働く現役の”採寸士”であり、オーダーマニアを自称する私がタイムリーに仕入れたり・感じたりしているオーダーアイテムのマニアック過ぎる話を書き連ねます。

今回は、パンツのシルエットの話-1―――。

1、美シルエットと履きやすいの融合？～テーパードシルエットの話～

パンツはシルエットが命。
既製品のパンツで売れているもの、麻布テーラースクエアや&B麻布テーラーで扱っているものでいうならば、ヤコブコーエンやPT01やHEAVEN TWOはシルエットの秀逸さが目を惹き、穿くものの心を奪います。

現在ではテーパードシルエットが主流
ヒップから太もも、そして膝から裾に向けて角度をつけない、いわゆるストレートなシルエットはゆったりとしていて、一見ルーズな印象を与えます。そこで股上を浅めに設定し、膝と裾口の余り部分を削りすっきりと細い、いわゆるテーパードラインが現在のパンツのシルエットの主流になってきています。

既製品は万人に万能ではない
肝心なのは膝の位置と絞り巾のバランスです。いくら既製品のパンツのシルエットが秀逸だからといって、サイズスペックは万人に万能ではありません。身長180㎝の人が穿く29インチのジーンズと160cmの人が穿く29インチのジーンズでは見え方や履き心地が違うのは容易に想像がつきます。

オーダースラックスはシルエットを作れる
問題を解決する方法はオーダースラックスという発想。スラックス＝スーツの片方、というイメージがありますが、実際はそんなことはありません。スラックスのオーダーは自由度が高いので、綺麗なテーパードを作りやすく、ヒップやウエストもフィットさせ履き心地も良いのです。

美シルエットと履きやすさの融合
もちろんオーダーだけに採寸する人間の能力が大きな差が出ますが、やはりシルエットと履きやすさが融合するというのは非常に魅力的だと思いませんか？

(Takashi.F)